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ジチテン

NB-IoT

読み:えぬびーあいおーてぃー

意味

NB-IoT(Narrowband IoT)とは、3GPPが2016年のRelease 13で標準化したセルラー系LPWAの通信規格である。携帯電話網の中の180kHzという狭い帯域を使い、地中や建物の奥まで届く電波到達性と省電力を、低速通信と引き換えに実現した固定設置のIoT機器向けの規格である。

水道メーターの自動検針を阻んできたのは、メーターが地中の量水器ボックスという電波の最悪条件に置かれていることだった。NB-IoTは送信を狭い帯域に集中させて電波を遠く深く届かせる設計で、鉄蓋の下や地下ピットのような場所からの通信を狙って標準化されたセルラー系LPWAである。携帯電話事業者の網をそのまま使うため自前の基地局は要らず、契約すれば全国で使える。ハンドオーバー(基地局間の通信引き継ぎ)に対応しない代わりに徹底して省電力で、1日1回の検針値送信なら電池で10年の駆動を設計目標とする。

国内では提供事業者の選別が起きた。NTTドコモは2019年4月に提供を始めたが1年足らずの2020年3月末で終了し、LTE-MとLTE Cat.1に集約した。提供を続ける主要事業者はソフトバンクで、東京都水道局の水道スマートメータ先行実装プロジェクトでも、LTE-M(ドコモ・KDDI)と並ぶ通信方式として採用されている。規格の優劣だけでなく、どの事業者がいつまで提供するかが、この分野の調達の現実的な確認事項である。

ドコモ撤退が示した規格の立ち位置

NTTドコモは2019年4月25日にNB-IoTの提供を開始したが、2020年3月31日で終了した。利用が伸びなかったこと、LTE-M対応モジュールとの価格差が解消したこと、経営資源を5Gに集中させることが理由とされ、同社はLTE-MとLTE Cat.1の提供を継続した——終了は通信網の都合ではなく、NB-IoTという規格の国内での立ち位置を選別した経営判断である。利用者側にとってこの出来事が残した教訓は重い。水道メーターには計量法に基づく8年の検定有効期間があり、メーターと通信機器は10年近い周期で更新される。設置後に通信サービスが終われば機器の載せ替え費用が発生するため、セルラー系LPWAの採用では「規格が国際標準であること」と「契約する事業者がその規格を提供し続けること」を区別して確かめる必要がある。3Gの停波で既設の通信機器の載せ替えが各分野で発生した経緯も、同じ性質の教訓を残している。

深いカバレッジと省電力の仕組み

NB-IoTの通信速度は下り・上りとも毎秒数十キロビット級にとどまるが、その狭帯域設計こそが特長の源である。送信エネルギーを180kHzの狭い帯域に集中させ、同じ内容を繰り返す反復送信を組み合わせることで、通常のLTEより20dB程度深い場所まで電波を届かせる(カバレッジ拡張)。地中の量水器ボックス、建物の配管ピット、マンホール内の水位計など、人が電波の心配をしてこなかった場所が通信可能になる。省電力面ではPSM(端末が長時間眠る省電力モード)とeDRX(間欠受信)を備え、1日数回だけ起きて送信する運用なら電池駆動で長期間持たせられる。ハンドオーバーに対応しないため移動しながらの通信はできず、移動体にはLTE-Mを使うという分業関係にある。

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対比

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