システム共同利用とは、複数の自治体が同一の情報システムを共同で調達・運用し、構築費や保守費を分担して負担を抑える取組みである。
小規模な自治体が単独で基幹業務システムを構築・更新すると、人口規模に比して負担が重く、専門職員の確保も難しい。システム共同利用は、複数の自治体が同じシステムを共同で調達し、データセンターに集約して運用する取組みであり、構築費・運用費を分担することで一団体あたりの負担を下げる。クラウド基盤を用いる形は自治体クラウドとも呼ばれ、災害時にデータが遠隔地に保全される利点もある。一方、参加団体ごとに業務のやり方が違うと、独自の作り込み(カスタマイズ)が増えて共同化の利点が薄れるため、業務の標準化が前提になる。基幹業務システムの標準化とガバメントクラウドへの移行は、この共同利用の考え方を全国規模に押し広げるものといえる。担当者にとっては、共同利用の利点を得るには業務をそろえる調整が欠かせず、団体間の合意形成が成否を分ける点が要点となる。
標準化が前提
システム共同利用は、複数団体が一つのシステムを共同で使い、構築・運用の費用を分担することで一団体あたりの負担を下げる仕組みである。ところが参加団体がそれぞれ独自の様式や事務手順を持ち込み、自分だけの作り込み(カスタマイズ)を求めると、共通のはずのシステムが団体ごとの分岐だらけになり、共同化による費用低減の利点が損なわれる。だからこそ、まず業務手順や帳票をそろえる標準化があって初めて共同利用が機能する。とはいえ各団体は条例や慣行に基づく違いを抱えており、どこまで足並みをそろえるかの団体間調整が、共同利用でもっとも難しい部分になる。
標準化・ガバメントクラウドとの関係
国が主導する基幹業務システムの標準化は、住民記録・税・福祉などの業務処理の仕様を全国共通にそろえるもので、標準準拠システムをガバメントクラウド上で動かす方針と一体で進む。これは、個々の団体ごとの共同利用を、全国規模の共同利用へと広げる流れにあたる。これまで都道府県単位などで取り組まれてきた自治体クラウド(複数市町村による共同利用)の経験は、業務をそろえる調整や運用の知見として、この全国規模の移行を進める下地になる。共同利用は標準化の手段であると同時に、その先取りでもあった。
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