個人事業税とは、個人が営む一定の事業に対し、その事業が地方公共団体の行政サービスを受けていることに着目して都道府県が課す地方税をいう(地方税法)。法律に定められた業種を営む個人の事業所得を課税標準とする。
個人で事業を営む人もまた、道路や行政サービスの恩恵を受けて事業活動を行っている。個人事業税は、その受益に応じて個人の事業に負担を求める都道府県税で、法人の事業に課す法人事業税に対応する。
課税の対象は、地方税法に列挙された業種を営む個人に限られ、すべての事業所得が対象になるわけではない。物品販売業や飲食店業など多くの業種が含まれる一方、一定の農業など対象外の事業もある。税額は、事業所得から必要経費を引き、さらに年間で一定額の事業主控除を差し引いた額に、業種ごとに定められた税率を掛けて算定される。所得税や個人住民税とは別に課される税であり、対象となる事業者にとっては、所得に応じた負担が複数の税にわたることを理解しておく必要がある。
課税対象となる法定業種
個人事業税の特徴は、課税の対象が法律に列挙された業種に限られる点にある。地方税法は課税対象を法定業種として定めており、製造業や卸売・小売業、飲食店業、不動産貸付業、医業や弁護士業などの自由業など、多くの事業が含まれる。税率も業種に応じて区分されている。一方で、これらに当たらない事業や、農業の一部などは課税の対象とならない。同じように所得を得ていても、業種によって課税されるかどうかが分かれるため、自分の事業がどの区分にあたるかの判定が、納税者にとって重要となる。事業の実態が複数の業種にまたがる場合の区分など、判断が難しい場面もある。
事業主控除と他の税との関係
個人事業税には、事業を営む個人の最低限の所得に配慮し、年間で一定額を所得から差し引く事業主控除が設けられている。この控除があるため、所得が一定額以下の小規模な事業者には個人事業税がかからない。納付した個人事業税は、所得税や個人住民税の所得計算上、必要経費に算入できる。個人で事業を営む人は、所得税、個人住民税、個人事業税、さらに消費税の課税事業者であれば消費税と、複数の税の申告と納付を行うことになり、それぞれの税の課税の基礎や納期の違いを把握して資金を計画的に準備することが、事業の継続のうえで欠かせない。
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