機能別消防団員とは、すべての災害対応に従事する基本団員とは異なり、入団時に定めた特定の活動や役割に限って参加する消防団員である。
サラリーマンが増え昼間に動ける担い手が減って消防団員が長期的に減り続けるなか、「全部の活動には出られないが、この役割なら担える」人をどう取り込むか——この担い手不足への一手が機能別消防団員制度である。総務省消防庁が2005年に導入し、平時の訓練から火災・救助まですべてに従事する基本団員とは別に、活動を絞った団員区分を設けた。大規模災害時にだけ出動する団員、応急手当の指導に特化した団員、水害現場に限って活動する団員、女性による防火広報の団員など、地域の実情に応じて役割を限定して入団できる。難しいのは、基本団員との待遇や指揮系統の整理、特定活動だけでは練度の維持が難しいこと、そして頭数は増えても現場で実際に動ける戦力にどうつなげるかという点である。OB団員や事業所の従業員、学生など、従来は団に入りにくかった層を地域防災力に組み込む受け皿として、各団体が独自の機能別区分を設計している。
基本団員との役割分担
機能別消防団員は、すべての活動に従事する基本団員を補完する位置づけで、入団時にあらかじめ決めた活動・役割だけに参加する。大規模災害時のみ出動する「大規模災害団員」、応急手当や予防広報に特化した団員、特定の現場(水害など)に限定した団員といった区分があり、団体ごとに名称も対象も異なる。これにより、平日昼間に動けない会社員や、体力面で全活動は難しいOB・学生でも、担える範囲で団に加われるようになる。退職した消防職員・団員の知見を再び生かす受け皿としても使われる。
「頭数」を「戦力」につなげる課題
機能別団員制度は団員数の確保には寄与するが、活動を絞っているぶん訓練機会が限られ、いざという現場で実際に動ける練度をどう保つかが課題になる。基本団員との指揮系統や報酬・公務災害補償の扱いを整理しておかないと、現場で役割が曖昧になりかねない。OB団員や事業所単位の入団、特定技能(ドローン操作・語学など)を持つ住民の登用など、地域の弱点を補う形で区分を設計することが、制度を形だけに終わらせない鍵になる。
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