ジチテン

緊急安全確保

読み:きんきゅうあんぜんかくほ

意味

緊急安全確保とは、令和3年(2021年)の災害対策基本法改正で新設された警戒レベル5の避難情報で、災害が発生し、またはまさに発生しようとしている状況で、直ちに安全な場所への避難が困難な場合に市区町村長が発令するものである。

避難指示を出しても、災害がすでに発生し、安全な場所への避難が間に合わない事態は起こりうる。緊急安全確保は、こうした切迫した段階で住民に少しでも安全な行動をとるよう促すために、2021年の災害対策基本法改正で新設された警戒レベル5の避難情報であり、市区町村長が発令する。

旧来の「避難指示(緊急)」の廃止に伴い、避難指示を発令してもなお避難が間に合わない段階の情報として設けられた。住民には、建物の上の階へ移る垂直避難や、堅牢な建物の内部にとどまる屋内安全確保といった、その場でとりうる最善の行動を求める。あくまで例外的・緊急的な情報であり、本来はレベル4の避難指示までに避難を終えることが前提となる。

発令の想定場面

堤防決壊・浸水・土砂流出等が実際に発生している、またはその直前の段階で発令される。この段階では屋外移動はかえって危険であるため、居場所での安全確保が基本となる。市区町村はリアルタイムの被害情報・河川水位・土砂災害の現場情報を収集しながら発令を判断する必要がある。発令が遅れれば住民が安全を確保する間もなく被災するため、空振りをおそれず早めに出す姿勢が大切だが、いつどの段階で出すかの判断は市区町村にとって難しい。

旧制度との違い

2021年改正前の「避難指示(緊急)」は避難指示より危険度が高い段階として位置付けられていたが、「指示」という名称の混乱(避難指示と避難指示(緊急)の差がわかりにくい)を解消するため、現行の緊急安全確保に改められた。緊急安全確保の発令は市区町村の「義務」ではなく「努力義務」とされており、現場の状況に応じた柔軟な判断を前提にしている。警戒レベルは1から5まで五段階で整理され、レベル3が高齢者等避難、レベル4が避難指示、レベル5が緊急安全確保にあたる。住民にはレベル4までに避難を終えてもらう必要があり、その点を平時から周知しておくことが欠かせない。

つながりのある用語

上位概念

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