ジチテン

被災宅地危険度判定

読み:ひさいたくちきけんどはんてい

意味

被災宅地危険度判定とは、地震や豪雨により被害を受けた宅地ののり面や擁壁の二次災害の危険度を、被災宅地危険度判定士が応急的に調査・判定する制度をいう。

余震や降雨で宅地が崩れる前に住民へ危険を知らせたいとき、誰が宅地の安全を判定するのか。地震や豪雨の後は、建物だけでなく、それを載せる宅地そのもの(のり面・擁壁・自然斜面)が崩落する二次災害のおそれが残る。被災宅地危険度判定は、都道府県知事等が登録した被災宅地危険度判定士が現地を踏査し、「危険(赤)」「要注意(黄)」「調査済(青)」のステッカーを宅地に表示して立入りの可否を住民に伝える仕組みである。建物の構造的安全性をみる応急危険度判定とは判定の対象も判定士の登録制度も別であり、宅地造成等規制法(盛土規制法)の枠組みと連動して運用される。市町村が実施本部を設け、被災宅地危険度判定連絡協議会の枠組みで、都道府県間で判定士の広域応援を受けることもある。

応急危険度判定との違い

被災宅地危険度判定と応急危険度判定は、災害後に「赤・黄・青」のステッカーを貼る点が似ているため現場で混同されやすいが、対象も根拠も異なる。応急危険度判定は建築物の構造体や落下物による二次災害の危険を建築技術者が判定するのに対し、被災宅地危険度判定はのり面・擁壁・自然斜面といった宅地そのものの崩壊危険を対象とする。判定士の養成・登録もそれぞれ別の制度で行われ、一人が両方の資格を兼ねることはあっても判定行為は別個に実施される。住宅地の被害調査では、まず宅地の安全を確認したうえで建物に立ち入る順序が想定されるため、両判定の連携が市町村の被害調査計画上の論点となる。

判定の流れと実施主体

判定は、災害発生後に市町村が被災宅地危険度判定実施本部を設置することから始まる。本部は被害の規模に応じて必要な判定士の数を見積もり、自前で不足する場合は都道府県や被災宅地危険度判定連絡協議会に対して他自治体からの応援を要請する。判定士は二人一組などで街区を踏査し、擁壁のはらみや亀裂、のり面の崩落・湧水の有無を目視で確認して危険度を区分する。判定結果はあくまで応急的・暫定的なもので、住民の避難や立入りの判断材料を速やかに提供することが目的であり、その後の本格的な復旧工事の要否を決定づけるものではない。

つながりのある用語

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