ひきこもり支援とは、社会参加が困難になっているひきこもり状態の人とその家族を対象に、相談や訪問、居場所の提供、就労準備などの支援を行う施策の総称で、市区町村や都道府県が実施主体となる。
ひきこもりは本人が支援を求めにくく、家族も問題を抱え込みがちで、長期化すれば「8050問題」のように親子ともに困窮する。ひきこもり支援は、ひきこもり状態にある人とその家族に相談・訪問・居場所・就労準備などの支援を行う施策であり、孤立した本人と家族に外部からつながりをつくって社会参加を後押しするところに本質がある。
内閣府の調査(令和5年)では15〜64歳のひきこもり状態の人は全国で約146万人と推計され、「8050問題」のような深刻な事例も多い。2023年のこども家庭庁設置以降は若年層への対応が強化され、重層的支援体制整備事業の活用で対策が整いつつある。厚生労働省は「ひきこもり地域支援センター」を都道府県・指定都市に置き、市区町村への後方支援の体制を築いている。
市区町村の役割
市区町村は、生活困窮者自立支援法の自立相談支援機関でのひきこもり事例の相談受付、重層的支援体制整備事業での参加支援・地域づくりへの組み込み、フリースペースや就労準備施設といった地域の居場所との連携・補助を担う。家族への相談や家族会への補助など、家族への支援も重要な柱となる。ひきこもりは福祉・就労・教育・医療など複数の課題が絡むため、一つの窓口で完結せず関係機関の連携が欠かせない。本人が動き出すまでに時間がかかることも多く、結果を急がず継続して関わり続ける息の長い支援が要となる。
重層的支援体制整備事業との連携
2021年施行の重層的支援体制整備事業(社会福祉法第106条の4)は、ひきこもりを含む複合的課題に対して相談支援・参加支援・地域づくり支援を一体的に提供する体制を市区町村が整備することを促す制度であり、ひきこもり支援の制度的基盤の一つとして機能する。ひきこもりは高齢・障害・生活困窮といった分野の枠に収まらない複合的な課題であるため、分野ごとに分かれた相談支援を横断・統合する重層的支援体制が、たらい回しを防いで本人に寄り添う支援を可能にする土台となる。
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