ジチテン

廃食用油

読み:はいしょくようゆ

意味

廃食用油とは、家庭や飲食店・食品工場で揚げ物などに使われ、用済みとなった植物性・動物性の食用油であり、回収・再生利用の対象となる資源である。

天ぷら油の処理に困った住民からの問い合わせを受けて、自治体が案内するのが廃食用油の回収である。家庭から出る使用済みの食用油は、そのまま流すと下水道や河川の汚れの原因になるため、固めて可燃ごみに出す方法のほか、拠点回収して資源化する取組が広がっている。回収された廃食用油は、せっけんや家畜飼料の原料になるほか、バイオディーゼル燃料(BDF)に精製され、ごみ収集車や公用車の燃料に使われる例もある。飲食店や食品工場から出る事業系の廃食用油は、量が多く品質も比較的安定しているため、古くから再生事業者による回収ルートが確立している。家庭系は一軒あたりの量が少なく回収効率が課題で、拠点回収やイベント回収で量を集める工夫が要る。

家庭系と事業系の回収ルート

廃食用油は、出どころによって回収の仕組みが大きく異なる。事業系の廃食用油は、量がまとまり油の種類も把握しやすいため、再生事業者が定期的に買い取りまたは引取りに回るルートが古くからできている。一方、家庭系は一世帯あたりの発生量が少なく、品質もばらつくため、回収が難しい。自治体はスーパーや公共施設に回収拠点を設けたり、資源ごみの収集日に拠点回収を行ったりして量を確保する。住民が出す際は、油をこして容器に移し、水や異物を混ぜないことが品質確保の前提になる。

バイオディーゼル燃料への再生

回収した廃食用油の再資源化の代表例が、バイオディーゼル燃料への精製である。廃食用油をメチルエステル化処理することで、軽油に近い性質の燃料が得られ、ディーゼル車の燃料として使える。植物由来の炭素を燃やすため、化石燃料の代替として温室効果ガスの排出を抑える効果が期待される。一部の自治体では、回収した家庭系廃食用油から作った燃料を、ごみ収集車やコミュニティバスに使い、資源循環を地域内で完結させる取組を進めている。ただし、安定した品質と量の確保、精製コストの負担が普及の壁になっている。

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