ジチテン

不適正処理

読み:ふてきせいしょり

意味

不適正処理とは、廃棄物の処理が、法令の定める基準や手続に従わずに行われることをいう。許可を受けない処理、基準に適合しない焼却や埋立て、廃棄物の不法投棄などが含まれ、生活環境の保全上の支障を生じるおそれがある。

廃棄物が適正なルートを外れて処理されると、土壌や水が汚染され、生活環境が損なわれる。不適正処理は、法令の基準や手続に従わない廃棄物の処理を広く指し、環境行政が防ぐべき中心的な問題である。

不適正処理には、さまざまな形がある。許可を受けずに廃棄物の処理を業として行うこと、定められた基準に適合しない焼却や埋立てを行うこと、廃棄物を山林や空き地に捨てる不法投棄などが、これにあたる。とりわけ産業廃棄物では、処理の費用を逃れるために、許可のない業者に安く委託した結果、廃棄物が不適正に処理される事例が問題となってきた。不適正処理が行われると、土壌や地下水の汚染、悪臭や火災などの被害が生じ、その原状回復には多額の費用と長い年月を要する。これを防ぐため、排出した事業者の責任を明確にし、廃棄物の流れを管理票で確認する仕組みなどが整えられている。

排出事業者責任という考え方

不適正処理を防ぐうえで核心となるのが、排出事業者責任という考え方である。これは、廃棄物を排出した事業者が、その廃棄物が最終的に適正に処理されるまで責任を負うという原則である。かつては、処理を業者に委託しさえすれば、その後に不適正処理が行われても排出した事業者は責任を問われにくいと考えられがちであった。しかし、処理費用を抑えたい事業者が、安さだけを理由に不適正な業者に委託した結果、不法投棄などが横行した。これを受けて、排出した事業者は、許可を持つ適正な業者に委託する義務を負い、産業廃棄物管理票によって委託した廃棄物が適正に処理されたことを確認しなければならないとされた。委託した後も、不適正処理が行われた場合には、排出した事業者が原状回復の措置を命じられることがある。処理を委ねても責任は免れないという原則が、不適正処理を抑止する要となっている。

原状回復の難しさ

不適正処理がいったん行われると、その原状回復は容易でない。山林などに大量に不法投棄された廃棄物や、基準に適合しない方法で埋め立てられた廃棄物は、土壌や地下水を汚染し、放置すれば被害が広がる。これを除去し、汚染された環境を元に戻すには、多額の費用と長い年月を要する。本来、その費用は不適正処理を行った者が負担すべきだが、行為者が特定できなかったり、資力がなかったりして、回収できないことが多い。その場合、生活環境の保全のために、行政が費用を負担して原状回復にあたらざるをえず、その負担は最終的に住民が負うことになる。過去の不適正処理による大規模な汚染の原状回復が、長年にわたる課題となっている例もある。不適正処理は、起きてしまえば回復が極めて困難であるだけに、起こさせないための未然の防止が、何よりも重要となる。

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