ジチテン

大規模小売店舗立地法

読み:だいきぼこうりてんぽりっちほう

別名:大店立地法
意味

大規模小売店舗立地法とは、店舗面積1000平方メートル超の大型店の新設・変更に際し、交通・騒音・廃棄物など周辺の生活環境への配慮を求める法律である(平成10年法律第91号)。

かつての大規模小売店舗法(大店法)は、中小小売業の事業機会を守るため大型店の店舗面積や営業時間を調整する商業調整法だった。これがWTO体制下で内外から非関税障壁と批判され、1998年に廃止された。代わって制定されたのが大規模小売店舗立地法で、規制の目的を「商業者の保護」から「周辺の生活環境の保持」へ転換した点が決定的に異なる。大型店の出店自体は原則自由としたうえで、駐車場の確保、来店車両による交通渋滞の緩和、騒音・廃棄物の処理など、地域住民の生活環境への配慮を出店者に求める。届出を受けた都道府県・指定都市は、住民の意見を聞いたうえで、配慮が不十分なら意見を述べ、改善を促す。店舗面積の上限規制ではない点が、旧大店法との最大の違いである。

商業調整から生活環境配慮への転換

大規模小売店舗立地法を理解する鍵は、旧大規模小売店舗法(大店法)との目的の違いにある。旧大店法は、地元の中小小売業を保護するため、大型店の店舗面積・開店日・営業時間・休業日を調整する商業調整の仕組みだった。これが、競争制限的で消費者利益に反し、対外的にも非関税障壁だと批判され、1998年に廃止された。新法である大店立地法は、大型店の出店を量的に規制することをやめ、代わりに交通渋滞・騒音・廃棄物・駐車場不足など、大型店が周辺にもたらす生活環境への影響を緩和させることを目的とする。つまり「競争から商業者を守る」法から「環境から住民を守る」法へ、規制の理念そのものが入れ替わった。

届出と運用の流れ

店舗面積1000平方メートル超の大型店を新設し、または店舗面積・営業時間・駐車場などを変更する場合、設置者は都道府県または指定都市へ届け出る。届出を受けた自治体は、その内容を公告縦覧し、地元住民や市町村の意見を求める。提出された意見を踏まえ、自治体は経済産業省の指針に照らして、駐車場の台数・配置、荷さばき施設、騒音対策、廃棄物保管などへの配慮が十分かを審査し、不十分なら設置者に意見を述べる。設置者はこれを尊重して計画を見直す。商業面の調整は行わないため、面積が大きいことを理由に出店を拒むことはできず、あくまで生活環境への配慮の確保が運用の焦点となる。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)