シティプロモーションとは、自治体が地域の魅力や認知度を高めて、移住者や来訪者、関係人口、企業などを地域に呼び込むことを狙う、広報と地域経営をまたぐ施策の総称である。
人口が減り続ける地域で、どうすれば外から人や仕事を引き寄せられるのか。観光パンフレットを刷って終わりではなく、誰に何を伝え、その結果どんな行動を起こしてほしいのかを設計するのがシティプロモーションである。対象は移住検討者だけでなく、繰り返し地域に関わる関係人口、立地を考える企業、地元に誇りを持つ住民まで幅がある。手法も、移住特設サイトやSNS、動画、メディアへの売り込み、ふるさと納税の返礼を通じた接点づくりなど実務に直結する。成果を測りにくい施策のため、移住相談件数や転入者数、サイトの流入といった指標を立てて効果を検証する運用が定着しつつある。住民自身が地域の良さを語り出す状態(シビックプライドの醸成)を最終的な狙いに置く自治体も増えている。
「誰に・何を・どう動いてほしいか」を決める設計
シティプロモーションが単なる宣伝と分かれるのは、ターゲットと期待する行動を先に定義する点にある。移住検討者には移住相談や現地訪問を、関係人口には地域への継続的な関与を、企業には立地の検討を、住民には地域への愛着と発信をというように、相手ごとに促したい行動が異なる。この行動目標が曖昧なまま動画やイベントだけが量産されると、話題にはなっても移住や立地につながらない。担当課は秘書広報課に置かれることもあれば、企画・地方創生担当に置かれることもあり、観光や移住定住の部署と所管が交錯しやすいため、庁内での役割分担が運用上の論点になる。
効果測定の難しさと指標設計
シティプロモーションは費用対効果を示しにくい施策の代表で、認知度向上や好感度といった中間的な成果と、転入者数や企業立地という最終成果の間に時間差と複数の要因が挟まる。そのため、サイトの閲覧数や移住相談件数などの先行指標と、転入者数・関係人口の規模などの結果指標を段階的に設定し、どの接点が行動につながったかを追う設計が取られる。住民が地域への誇り(シビックプライド)を持ち、自発的に魅力を発信する状態をつくれれば、行政の発信を超えた広がりが生まれるという考え方から、住民を発信の担い手に巻き込む取組も重視される。
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