地方拠点強化税制とは、企業が本社機能を東京圏から地方へ移転し、または地方で拡充する場合に、設備投資や雇用増に対して税制優遇を行う制度である(地域再生法)。
人口や経済機能が東京圏に過度に集中する是正策として、企業の本社機能(本店・研究所・研修所など)を地方へ移し、あるいは地方で増強する動きを後押しするのが地方拠点強化税制である。企業が、地方への本社機能の移転(移転型)または地方拠点の拡充(拡充型)の計画を作り、都道府県知事の認定を受けると、新たに取得したオフィス・施設への特別償却または税額控除(オフィス減税)と、増えた雇用者数に応じた税額控除(雇用促進税制)が受けられる。とりわけ東京23区からの移転(移転型)には手厚い優遇が用意される。企業誘致を担う自治体にとっては、工場誘致だけでなく、本社・研究機能という質の高い雇用を呼び込む手段となり、地方創生の文脈で活用される。
移転型と拡充型
地方拠点強化税制は、本社機能の動かし方によって移転型と拡充型に分かれ、優遇の手厚さが異なる。移転型は、東京23区にある本社機能を地方(東京圏など一部を除く地域)へ移転するもので、過度な東京集中の是正という政策目的に最も合致するため、税制優遇が手厚く設定される。拡充型は、地方にすでにある拠点の本社機能を拡充・増強するもので、移転型ほどではないが優遇が受けられる。ここでいう本社機能とは、工場のような生産機能ではなく、本店・支店の管理部門、研究開発を担う研究所、人材育成の研修所など、企業の中枢的・高付加価値の機能を指す。生産拠点の誘致が中心だった従来の企業立地施策に対し、管理・研究という質の高い機能と雇用を地方へ呼び込む点に、この税制の狙いがある。
二つの優遇と認定手続
地方拠点強化税制の優遇は、大きく二本立てである。第一はオフィス減税で、認定計画に基づき取得した建物・附属設備(オフィス・研究所・研修所など)について、特別償却または税額控除を受けられる。第二は雇用促進税制で、拠点の強化に伴って増加した雇用者数に応じた税額控除が受けられ、移転型ではさらに上乗せがある。これらを受けるには、企業が地方活力向上地域等特定業務施設整備計画を作成し、都道府県知事の認定を受ける必要がある。都道府県は、あらかじめ地域再生計画の中で本社機能の移転・拡充を促進する地域を定めておく。企業誘致を担う自治体は、この税制を企業へ案内し、計画認定や立地に向けた相談・調整を行うことで、本社・研究機能の地方への呼び込みを図る。
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