赤潮とは、海域などで植物プランクトンが異常に増殖し、海水が赤褐色などに変色する現象であり、富栄養化を背景に発生して漁業被害をもたらすものである。
養殖場のある内湾で魚が大量に死んだという連絡を受けたとき、原因として疑われるのが赤潮である。生活排水や工場排水に含まれる窒素・りんが流れ込んで富栄養化した海域で、水温や日照などの条件が重なると、特定のプランクトンが爆発的に増え、海面が赤褐色や茶褐色に色づく。増えたプランクトンが魚のえらに詰まったり、夜間や死後分解の過程で海中の酸素を奪ったりして、養殖魚介類を死なせる。漁業被害は時に甚大で、発生海域の都道府県は監視と漁業者への注意喚起を行う。閉鎖性の高い内湾・内海で起きやすく、根本対策は流入する栄養塩類を減らすことにある。淡水域で起きるアオコと並び、富栄養化が引き起こす代表的な現象である。
発生の仕組みと漁業被害
赤潮は、富栄養化した海域で、水温の上昇・日照・穏やかな海況といった条件がそろったときに、植物プランクトンが短期間で大量に増殖して起きる。増殖したプランクトンの色によって、海面は赤褐色や茶褐色、時に緑がかった色に見える。被害の経路はいくつかあり、プランクトンが魚のえらに付着・閉塞して窒息させる、プランクトンが出す毒で魚介類が死ぬ、大量のプランクトンが分解される際に海水中の酸素が使い果たされて貧酸素状態になる、などがある。養殖が盛んな内湾では、いけすの魚がまとめて死ぬ大きな被害につながる。
監視と栄養塩類対策
赤潮が起きやすい海域を抱える都道府県は、プランクトンの種類や数、水質を定期的に監視し、発生のきざしをつかむと漁業者へ速やかに知らせて、いけすの移動や餌止めなどの被害軽減策につなげる。発生そのものを抑える根本対策は、原因となる窒素・りんの海域への流入を減らすことであり、下水道の高度処理、合併処理浄化槽の普及、排水規制や閉鎖性海域での総量規制が組み合わされる。ただし、いったん海域に蓄積した栄養塩類や底質からの溶出もあり、流入を減らしても改善には時間を要する。
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