AED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)とは、心臓の心室細動(心臓が不規則に細かく震えて血液を送り出せない状態)が発生した際に電気ショックを与えて正常なリズムに戻す医療機器のことである。音声ガイダンスに従えば一般市民でも使用でき、医師法・薬事法の解釈上、2004年(平成16年)に一般市民による使用が正式に解禁された。
心室細動を起こした心臓は数分のうちに電気ショックを与えなければ命を救えないが、救急車の到着を待つだけでは間に合わない。AEDは、心室細動が起きた際に電気ショックで正常なリズムに戻す医療機器であり、音声ガイダンスに従って一般市民でも使えることで、救急隊の到着前に居合わせた人が救命に動ける点が眼目である。
2004年に一般市民による使用が正式に解禁された。設置・管理は法律上の義務ではない(一部施設は条例で義務化)が、消防庁の指針や条例の整備を経て、公共施設・学校・駅・コンビニ・商業施設などに普及している。公共施設のAEDは市区町村が管理責任を担い、電極パッドの使用期限やバッテリーの定期点検、施設職員への救急講習が必要となる。
市民による使用の法的根拠
2004年(平成16年)7月の通達(厚生労働省・当時)により、医師でない一般市民がAEDを使用することが「救命のためのやむを得ない行為」として医師法第17条の適用外(医業に当たらない)と整理された。これにより学校・駅・商業施設へのAED設置が急速に進んだ。消防法第17条に基づく消防法令適合品として薬事法(現:医薬品医療機器等法)の製造販売承認を受けたAEDのみが一般市民の使用対象となる。一般市民が人命救助のために行うAEDの使用は医業に当たらないと整理されたことで、居合わせた人がためらわず使える環境が整い、市民による救命の輪が広がる契機となった。
公共施設のAED管理実務
市区町村が管理する公共施設(庁舎・学校・公民館・体育館・公園等)のAEDは、設置場所の明示(案内板・ステッカー)・定期点検(月1回または年2回程度)・バッテリー・パッドの交換管理が施設管理担当課の業務となる。AEDの設置台数・設置場所は施設管理台帳で管理し、消防署への登録情報と整合させる。職員への救急救命講習(消防署主催のAED使用研修・胸骨圧迫訓練)を定期的に実施し、AEDを実際に使用できる職員を各施設に確保することが不可欠である。
設置場所の最適化と屋外AED
AEDは心停止発生から3〜5分以内に使用することが生存率向上の鍵であり、利用者が多い場所・心停止が発生しやすい場所(体育館・運動場・学校・駅・競技施設等)への設置が優先される。屋外設置型AED(防水・耐温度仕様)の普及も進んでおり、公園・スポーツ施設の屋外スペースへの設置も検討される。市区町村が24時間対応を保証するため、コンビニへのAED設置を促す条例や、自治会・町内会への補助設置制度を設ける自治体もある。
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