特別用途地区とは、用途地域の指定を前提に、その地区の特性にふさわしい土地利用の増進や環境の保護などの特別の目的を実現するため、用途地域による規制を補完して定める地域地区をいう(都市計画法)。市町村が地区の実情に応じて定める。
用途地域は全国共通の枠組みで土地利用を大まかに区分するが、それだけでは個々の地区の事情に応じたきめ細かな対応が難しい。特別用途地区は、用途地域の上に重ねて指定し、その地区ならではの目的に合わせて規制を補う仕組みである。
用途地域が定められた区域のなかで、たとえば、商店街の利便を守るために特定の用途の建築を制限したり、学校の周辺で風俗営業を規制したり、特産品の生産にふさわしい環境を保ったりするなど、その地区固有の目的を実現するために定められる。特別用途地区を指定すると、市町村は条例によって、用途地域の規制に上乗せして用途の制限を強めたり、逆に一定の用途について規制を緩めたりすることができる。どのような目的の地区をどこに定めるかは、地域の実情をよく知る市町村の判断にゆだねられており、画一的な用途地域を地域の個性に合わせて調整する役割を果たす。
用途地域を補完する仕組み
特別用途地区の本質は、用途地域を補完する点にある。用途地域は、住居系、商業系、工業系といった大きな区分で全国共通の建築規制をかけるが、その区分は標準的なもので、個々の地区の細かな事情までは反映できない。たとえば、同じ商業地域のなかでも、伝統的な商店街として小売店の集積を守りたい地区もあれば、大規模な店舗の立地を抑えたい地区もある。特別用途地区は、こうした用途地域だけでは対応しきれない地区固有の目的を実現するために、用途地域に重ねて指定される。指定にあたっては、その地区でどのような用途を制限し、あるいは緩和するかを市町村の条例で具体的に定める。用途地域という大枠を維持しながら、その上にきめ細かな調整を加えることで、地域の特性に応じた土地利用を導くのが、この制度の役割である。
地区計画との使い分け
地区の特性に応じた土地利用を図る仕組みとしては、特別用途地区のほかに地区計画がある。両者は目的が重なる面もあるが、性格が異なる。特別用途地区は、用途地域による用途の規制を地区単位で強めたり緩めたりすることを主眼とし、比較的単純に用途の制限を調整する場面に向く。これに対し地区計画は、建築物の用途だけでなく、形態や敷地の規模、道路や公園などの地区施設の配置まで含めて、地区の将来像を総合的に定める、より詳細できめ細かな仕組みである。狭い区域について、まちづくりの方針から個々の建築のルールまでを一体的に定めたい場合には地区計画が、用途の制限を地区の事情に合わせて調整すれば足りる場合には特別用途地区が用いられる。目的の単純さと総合性の違いに応じて、両者は使い分けられる。
つながりのある用語
関連
参考情報(外部リンク)
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)