ジチテン

戦略的環境アセスメント

読み:せんりゃくてきかんきょうあせすめんと

別名:SEA
意味

戦略的環境アセスメント(SEA)とは、個別の事業の実施段階より前の、計画や政策を立てる早い段階で環境への影響を予測・評価する手続であり、従来の事業段階の環境影響評価を補完するものである。

道路網や土地利用の計画を立てる段階で、後戻りできなくなる前に環境配慮を組み込もうとするのが戦略的環境アセスメントである。従来の環境影響評価は、個別の事業の場所や規模がほぼ固まった段階で行うため、根本的な見直しが難しいという限界があった。これに対しSEAは、複数の案がまだ比較できる計画・政策の段階で、立地や規模そのものの選択肢を環境面から検討する。位置や事業の必要性まで含めて評価できるため、より上流での環境配慮が可能になる。国の環境影響評価法では、事業に先立つ「配慮書」の手続として一部が制度化されている。自治体でも、独自の条例で計画段階の評価を取り入れる例がある。事業段階のアセスメントを置き換えるのではなく、その前段で補う関係にある。

事業段階アセスメントとの関係

戦略的環境アセスメントは、従来の環境影響評価を否定するものではなく、その前段に置かれる補完的な手続である。事業段階のアセスメントは、事業の位置や規模がほぼ決まった後に詳細な調査・予測を行うため、得られる情報は精密だが、計画の根幹を変える余地は乏しい。SEAは、複数の代替案が生きている計画・政策の段階で評価することで、立地や事業の必要性といった上流の判断に環境配慮を反映させる。両者は段階の違う評価であり、SEAで方向性を絞り、事業段階のアセスメントで詳細を詰めるという役割分担になる。

日本での制度化

日本では、戦略的環境アセスメントという名称そのものは法律の条文に置かれていないが、環境影響評価法の改正により、事業に先立って環境保全の配慮事項を検討する「配慮書」の手続が導入され、計画段階での評価の一部が制度に取り込まれた。配慮書では、事業の位置や規模に関する複数の案について環境影響を比較し、より影響の小さい案を選ぶ検討を行う。これに加え、一部の自治体は条例や要綱で、上位計画や政策の段階を対象とした独自の評価手続を設けている。国の制度が事業の配慮書段階にとどまる一方、より上流の計画・政策まで踏み込むかは、自治体ごとの判断に委ねられている。

つながりのある用語

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