災害用伝言ダイヤル(171)とは、大規模災害で電話がつながりにくくなった際に、電話番号を鍵にして音声の伝言を録音・再生できる安否確認用の声の伝言板サービスである。
災害が起きると被災地への電話が殺到し、家族の安否を確かめる回線そのものが輻輳でつながらなくなる——この通信集中をいかにさばくかが伝言ダイヤルの設計思想である。被災地の固定電話番号や携帯電話番号を「171」のあとにダイヤルすると、その番号を宛先として伝言を残せ、離れた家族はその番号へかけ直せば再生できる。提供が始まるのは震度6弱以上の地震など通信事業者が必要と判断した場合で、1伝言は30秒以内、録音から48時間保存される。自治体の防災啓発では体験利用日(毎月1日・15日や防災週間)に家族で操作を試しておくよう促すが、いざというとき番号を思い出せない・操作を知らないことが普及の壁になっている。インターネット版の災害用伝言板(web171)と併用することで、文字と音声の両方で安否をつなぐ運用が標準になりつつある。
「電話番号が宛先」という仕組みの利点と弱点
このサービスの肝は、特定のアプリや会員登録ではなく被災地の電話番号そのものを伝言の宛先にする点にある。誰でも相手の番号さえ知っていれば録音・再生でき、世代やデバイスを問わず使える反面、固定電話を持たない世帯や、家族が互いの携帯番号を暗記していない場合に機能しにくい。録音できる伝言は1件30秒以内、保存期間は録音から48時間で、登録できる伝言件数にも上限があるため、長い説明や安否以外の連絡には向かない。自治体は「家族で宛先にする番号をあらかじめ一つ決めておく」運用を勧め、この番号を中心に互いの伝言を確認し合う使い方を周知することで、番号の暗記不足という弱点を補おうとしている。
提供開始は自動ではなく事業者判断
伝言ダイヤルは災害が起きれば常に使えるわけではなく、通信事業者が災害の規模と輻輳の状況を見て提供を開始する。震度6弱以上が一つの目安だが、台風や大雪での輻輳でも提供されることがあり、提供の有無は報道や事業者の告知で確認する必要がある。平時には毎月1日・15日や防災週間・正月三が日などに体験利用が開放されており、住民が操作を試せる一方、これを本番と混同して「171はいつでも使える」と誤解させない啓発が要る。本番では提供されているかどうかをまず確かめる手順を、家族の防災ルールに含めておくとよい。
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