ジチテン

軽油引取税

読み:けいゆひきとりぜい

意味

軽油引取税とは、特約業者や元売業者からの軽油の引取りに対して都道府県が課す地方税をいう(地方税法)。ディーゼル車の燃料である軽油の流通に課され、税相当額が価格に上乗せされて実際には消費者が負担する。

自動車が走るための道路は、その利用に応じて費用を求めるという考え方のもとで整備されてきた。軽油引取税は、ディーゼル車の燃料である軽油の引取りに課される都道府県税で、かつては道路の整備に充てる財源としての性格を強く持っていた。

税は、特約業者や元売業者から軽油を引き取る際に課され、税相当額が軽油の価格に含まれて流通するため、最終的にはディーゼル車を使う事業者や消費者が負担する。納める義務を負うのは引取りを行う者で、価格を通じて負担する消費者とは立場が分かれる。かつては税収の使途が道路整備に限られる目的税であったが、道路特定財源の見直しによって使途の定めのない普通税となった。物流を担うトラックなどの運送業にとっては燃料コストに直結する税であり、軽油の価格や税の動向は事業の採算に影響する。

道路特定財源からの一般財源

軽油引取税は、その歴史に税の使途をめぐる大きな転換を経ている。もともとは、自動車が道路を利用することへの負担として、税収の使途を道路の整備に限る目的税として設けられた。受益と負担を対応させる考え方に基づくものである。しかし、道路網の整備が進むなかで、特定の費目だけに税収を縛ることの妥当性が問われ、二〇〇九年に道路特定財源が一般財源化された。これにより軽油引取税も使途の定めのない普通税となり、税収は道路に限らず広く都道府県の施策に充てられるようになった。受益者負担を理由に設けられた税が、使途の自由な普通税へと性格を変えた例であり、目的税と普通税の境界が政策判断で動きうることを示している。

不正軽油への対応

軽油引取税は税額が大きいため、これを免れようとする不正軽油の問題が長く課題となってきた。不正軽油とは、灯油や重油を混ぜるなどして軽油に見せかけ、軽油引取税の負担を逃れる燃料を指す。これは税収を損なうだけでなく、粗悪な燃料による環境汚染や車両故障の原因ともなる。都道府県は、抜き取り検査によって燃料に混入された識別剤を調べたり、流通の各段階を調査したりして、不正軽油の製造や販売を取り締まっている。税の公平な負担を確保するために、課税の仕組みだけでなく、こうした実地の取締りが組み合わされている点に、流通課税の難しさが表れている。

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