ジチテン

観光消費額

読み:かんこうしょうひがく

意味

観光消費額とは、観光客が旅行中に宿泊・飲食・交通・買い物・娯楽などに支払った金額の総額をいい、観光振興の経済効果を測る基本指標である。

観光振興の成果を測るとき、観光客が何人来たか(観光入込客数)だけでは不十分である。日帰り客が大勢来ても地域に落ちるお金が少なければ、地域経済への効果は限られる。そこで、観光が地域にもたらす経済効果を把握する指標として重視されるのが観光消費額である。観光客一人当たりの消費額に観光客数を掛けて算出し、宿泊・飲食・交通・土産・入場料といった費目ごとに把握する。これにより、入込客数を増やす戦略と、一人当たりの消費単価を上げる戦略のどちらに力を入れるべきかが見える。宿泊客は日帰り客より消費額が大きいため、滞在時間を延ばし宿泊を促す施策が消費額の引上げにつながる。DMOによるデータに基づく観光地経営でも、観光消費額は中心的な指標として用いられる。

入込客数との違いと使い分け

観光消費額は、観光入込客数としばしば対で用いられるが、測るものが異なる。観光入込客数は、その地域を訪れた観光客の延べ人数をとらえる量の指標である。これに対し観光消費額は、観光客が実際に地域でいくら使ったかをとらえる経済効果の指標である。両者を使い分ける意義は大きい。入込客数だけを追うと、無料イベントなどで大勢を集めても地域にお金が落ちず、混雑や負担だけが増えることがある。観光消費額を見れば、「何人来たか」ではなく「いくら落ちたか」で成果を評価できる。観光消費額は、おおむね「観光客数 × 一人当たり消費額」で計算されるため、客数を増やす施策と単価を上げる施策の双方が消費額の押し上げに効くことが分かる。

消費単価と宿泊の重要性

観光消費額を高めるうえで鍵を握るのが、観光客一人当たりの消費単価、とりわけ宿泊の有無である。一般に、日帰り客に比べて宿泊客は、宿泊費に加えて夕食・朝食、夜の飲食、土産などで消費額が大きくなる。同じ入込客数でも、宿泊客の割合が高い地域ほど観光消費額は大きくなる。このため、観光地経営では、通過型・日帰り型の観光を、滞在時間を延ばし宿泊を伴う滞在型へ転換することが消費額引上げの定石となる。具体的には、夜の楽しみ(食・体験・ライトアップ等)の充実、複数日の周遊ルートづくり、宿泊と体験を組み合わせた商品化などである。観光消費額を費目別・客層別に分析することで、どこに伸ばす余地があるかを見極め、施策の的を絞ることができる。

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