防災士とは、特定非営利活動法人日本防災士機構が認定する民間資格で、自助・共助・協働の精神に基づき、地域や職場、学校などで防災力を高める活動が期待される人材に与えられる。2003年に資格制度が始まった。
災害時に地域の防災を担うには、ある程度の知識と技能を備えた人材が地域のなかにいることが欠かせない。防災士は、自助・共助・協働の精神に基づいて地域や職場、学校で防災力を高める活動の担い手に与えられる民間資格である。地域に防災の担い手を計画的に増やす目印として機能する点に意味がある。
国家資格ではなく民間の認定資格で、特定の業務を独占する権限は伴わない。日本防災士機構が認定した研修機関での講習を受け、救急救命の講習修了と検定試験の合格をもって認定される。2024年3月時点で累計の認定者は27万人を超え、自主防災組織のリーダーや地域の防災活動の担い手としての活躍が見込まれている。
市区町村の活用
市区町村は防災士を自主防災組織・地域の防災リーダーとして育成する観点から、資格取得費用の補助制度を設けているケースが多い。防災士は、自主防災組織の訓練リーダー、防災出前講座の講師、地区防災計画の策定支援、避難所の設営や運営の補助といった役割での活躍が見込まれている。資格を取った人材が地域に埋もれず実際の活動につながるよう、出番をつくる後押しが市区町村の役割となる。費用補助で資格取得を促すだけでなく、訓練や講座で実際に動いてもらう場を継続して設けられるかどうかが、地域防災の力に直結する。
資格の課題
認定者数が27万人を超えた一方で、実際に防災活動を継続的に行っている防災士の割合や活動頻度についての把握は必ずしも十分ではない。市区町村は防災士データベース(氏名・所在地・連絡先)を整備し、実際の防災活動への参加機会を提供することで「資格だけ取得して終わり」にならない仕組みづくりが課題となる。資格は出発点にすぎず、取得後にどう活躍の場を用意し続けるかが、防災士制度を地域の防災力へと結実させる鍵を握っている。
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