ジチテン

防災備蓄

読み:ぼうさいびちく

意味

防災備蓄とは、大規模災害で物資の供給が途絶える事態に備え、食料や飲料水、毛布などの生活必需品を平時から蓄えておくことで、行政による公的備蓄、事業所備蓄、家庭備蓄の三層で進められる。

大規模災害の直後は、道路の寸断や物流の混乱で外部からの支援がすぐには届かない。防災備蓄は、その支援の空白を自力でしのぐため、食料・飲料水・毛布・医薬品といった生活必需品をあらかじめ蓄えておく備えである。発災後の数日間を生き延びる手段を平時に確保しておくことで、救助や物資が届くまでの命綱となる点が肝心である。

「72時間の壁」と呼ばれるように、大規模地震では発生後おおむね3日間は外部支援が届きにくく、この期間を自力で乗り切れるかが生死を分ける。内閣府や消防庁は住民に最低3日分、できれば7日分の備蓄を呼びかけ、飲料水は1人1日3リットルが目安とされる。備蓄は行政の公的備蓄、企業や学校の事業所備蓄、住民の家庭備蓄という三層で支え合う構造になっている。

行政備蓄の体系

市区町村の公的備蓄は、複数の避難所や備蓄倉庫に分けて保管し一カ所が被災しても対応できるようにする分散備蓄と、民間のスーパーやコンビニと協定を結んで発災後に在庫を供給してもらう流通備蓄を組み合わせて整備される。後者は自前で抱え込まずに民間の在庫を備蓄の代替とする手法である。分散備蓄では、非常食・飲料水・毛布・簡易トイレ・発電機・投光器・救護資機材などが標準的な品目となる。どこに何をどれだけ置くかは、想定される避難者数と被害像から逆算して決める。

ローリングストックと鮮度管理

備蓄品には賞味期限があるため、定期的に消費・補充するサイクル管理(ローリングストック)が必要である。市区町村は備蓄食品の賞味期限管理・廃棄・補充の計画を立て、期限切れ前の食品を防災訓練での試食やフードバンクへの提供などで有効活用する仕組みを整える自治体もある。備蓄は一度そろえれば終わりではなく、期限を切らさず入れ替え続ける仕組みをいかに回すかが、いざというときに使える備蓄を保つ鍵となる。賞味期限の近い順に消費する運用を日常業務へ組み込む工夫が欠かせない。

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