単価合意方式とは、工事の契約にあたり、設計変更に備えて各工種の施工単価を発注者と受注者が契約時にあらかじめ合意しておく方式である。
工事では設計変更がしばしば生じるが、その都度ゼロから単価を協議していると、変更の処理に時間がかかり、双方の主張が食い違って紛争にもなりやすい。これを避けるため、契約時に単価を決めておくのが単価合意方式である。発注者と受注者は、契約時に主要な工種ごとの施工単価について合意し、合意単価表を作成する。施工途中で数量の増減や工種の追加といった設計変更が生じた場合は、この合意単価を用いて変更金額を算定するため、変更協議が迅速かつ円滑に進む。受注者の応札額(落札額)と発注者の設計単価との差を反映する方法など、合意の仕方には方式があり、発注者があらかじめ運用要領で定める。設計変更が見込まれる工事で、変更手続の透明性と迅速化、紛争の予防に役立つ。
設計変更協議の迅速化
単価合意方式の眼目は、設計変更が生じたときの金額協議を、契約時に合意した単価に基づいて速やかに処理できるようにする点にある。通常、工事では現地の状況や設計の見直しに伴って数量の増減・工種の追加が避けられず、その都度、変更部分の単価を協議して変更契約を結ぶ。協議が長引くと工程に影響し、単価の根拠をめぐって発注者・受注者の主張が対立することもある。単価合意方式では、あらかじめ主要工種の施工単価を合意単価表として確定しておくため、変更が生じても合意済みの単価に変更後の数量を乗じるだけで変更金額が算定でき、協議の負担と紛争のリスクが減る。これにより、設計変更に伴う変更契約の事務が効率化され、適正な対価の確保にもつながる。
合意単価の設定と運用
単価合意方式では、契約時にどの単価で合意するかが要点となる。一般には、発注者の予定価格を構成する設計単価を基礎としつつ、受注者の落札額が予定価格より低い場合には、その比率(落札率に相当する調整)を反映して合意単価を定める方法がとられる。これにより、当初契約の価格水準と整合した単価で設計変更を処理できる。合意の対象とする工種の範囲、単価の端数処理、合意単価表の様式などは、発注者が運用要領であらかじめ定め、契約時に受注者と確認する。すべての工種を合意対象とするのは煩雑なため、主要・代表的な工種に絞る運用が一般的である。設計変更が少ない見込みの工事では効果が限られるため、変更が予想される工事を中心に適用される。
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