採用試験とは、職員を新たに採用する際に、競争試験の方式で能力を実証させる選抜方法である。受験案内の公示、筆記・面接等の実施、合格者名簿の作成を経て採用候補者を決める。
採用を縁故や恣意で行わず、能力本位で公平に選ぶための仕組みである。地方公務員法は職員の採用を成績主義に基づくと定め、原則として競争試験によると規定する。採用試験は、受験資格を満たした応募者に教養試験・専門試験・論文・面接などを課し、その成績で採用候補者名簿を作成する一連の手続を指す。人事委員会を置く団体では人事委員会が、置かない団体では任命権者が実施する。近年は受験者数の減少を背景に、試験日程の早期化・専門試験の廃止・SPIの導入・経験者採用枠の拡大など、応募のハードルを下げる見直しが各団体で進んでいる。
競争試験と選考の関係
地方公務員の採用は原則として競争試験によるが、採用が困難な専門職や少数の職については「選考」によることも認められている。競争試験は不特定多数の応募者を成績で順位づけて名簿を作る方式で、公平な機会の保障に重きを置く。一方の選考は、特定の資格・経歴を持つ者の中から適否を判定する方式で、医師・獣医師・有資格の専門職などで用いられる。どちらも能力の実証に基づく成績主義に立つ点は共通し、縁故や情実による採用を排除するという目的を共有する。選考であっても、資格や経歴という客観的な基準で適否を判断する点で、恣意的な採用とは一線を画している。
受験者減への対応と試験設計の変化
少子化と民間の採用意欲の高まりにより、自治体の採用試験は応募者の確保が共通の課題となった。従来の難解な専門試験を課す方式では受験そのものを敬遠されるため、教養試験を民間就職で広く使われる適性検査(SPI等)に置き換えたり、専門試験を廃止して人物重視に切り替えたりする団体が増えた。試験日程を民間の採用活動に合わせて早める動きや、社会人経験者を対象とした経験者採用枠の拡大も進んでいる。誰に来てもらうかという人材獲得戦略が、試験設計そのものを変えつつある。
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