離島振興法とは、本土から隔絶した離島地域の自立的発展と住民の生活安定を図るため、地域の指定と離島振興計画に基づき基盤整備や産業振興を支援する法律である(昭和28年法律第72号)。
離島は、本土から海で隔てられているため、人や物の往来に船や航空機を要し、輸送費がかさみ、医療・教育・雇用の確保も難しい。この本質的な隔絶性に由来する不利を補うために制定された地域振興立法が離島振興法である。1953年制定と条件不利地域立法の中でも古く、国土の保全や国境離島としての役割も担う離島を支える。主務大臣が離島振興対策実施地域を指定し、都道府県が離島振興計画を定めて、港湾・空港・道路、医療・教育、産業振興などを進める。航路・航空路の運賃低廉化や輸送費の補助、ガソリン価格の引下げなど、隔絶性に直接対応する独自の支援が用意される点が、他の条件不利地域立法と異なる特徴である。特定有人国境離島法による上乗せ支援とあわせて運用される。
隔絶性に対応する独自支援
離島振興法の支援の特徴は、海で隔てられているという隔絶性そのものに対応する点にある。離島では、生活物資や燃料の輸送に船を使うため、本土より物価が高く、本土への通院・通学・通勤にも時間と費用がかかる。これに対応するため、離島では、航路・航空路の運賃を引き下げる支援、生活物資の輸送費を補助する仕組み、離島価格となりがちなガソリン等の価格引下げ、医療確保のための支援などが講じられる。基盤整備(港湾・空港・道路・通信)や産業振興(水産・観光等)に加え、こうした隔絶性に由来する日々の負担を直接和らげる施策が組まれている点が、平地や交通の不利を扱う他の条件不利地域立法と異なる。
特定有人国境離島法との関係
離島の中でも、国境周辺に位置し、領海や排他的経済水域の保全に重要な役割を果たす有人離島については、離島振興法に加えて特定有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法(特定有人国境離島法)による上乗せの支援がある。これは、国境離島の有人状態を維持することが国の安全保障や海洋権益にとって重要だとの認識に基づき、雇用の創出、航路・航空路運賃の低廉化、輸送費の支援、滞在型観光の促進などを手厚く行う。離島振興法が離島一般の基盤と産業を支えるのに対し、特定有人国境離島法は国境離島の社会の維持に的を絞る。両者は重ねて適用され、対象離島ではより手厚い支援が受けられる。
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