ジチテン

費用弁償

読み:ひようべんしょう

意味

費用弁償とは、議員や委員、選挙人などが、その職務や用務のために要した費用の実費を、地方公共団体が弁償することをいう(地方自治法)。職務の対価である報酬とは性格が異なり、職務遂行に伴って実際に生じた費用の補填である。

議員などが公の職務を果たすために自ら費用を負担したとき、その実費を補うのが費用弁償である。職務の対価として支払われる報酬とは異なり、職務の遂行に伴って実際に生じた費用を償うものという点に、その性格がある。

地方自治法は、議員や各種委員会の委員、選挙人などに対し、職務を行うために要した費用の弁償を受ける権利を認めている。代表的なのは、議会や委員会に出席するための交通費にあたるもので、その額や支給の方法は条例で定められる。費用弁償は、あくまで実費の補填であることから、その額が実際に要する費用に比べて高すぎる場合には、報酬の上乗せではないかとの批判を招く。とりわけ、議員の住所から議会までの距離にかかわらず一律の額を支給する運用などをめぐっては、実費弁償という本来の性格に照らして見直しを求める声があり、廃止や減額に踏み切った議会もある。

報酬との性格の違い

費用弁償を理解する鍵は、報酬との性格の違いにある。議員報酬は、議員としての職務に対する対価、すなわち働きに報いる性格を持つ給付である。これに対し費用弁償は、職務を遂行するために議員が実際に支出した費用を補填する給付であり、対価ではなく実費の償いである。この区別は重要で、もし費用弁償が実際に要する費用を超えて支給されれば、その超過分は実質的に報酬の上乗せにほかならず、報酬とは別に費用弁償を支給する根拠が失われる。費用弁償はあくまで実費の補填にとどまるべきであり、その額の算定は、実際に生じる費用に見合ったものでなければならない。報酬と費用弁償を区別して整理することが、議員に対する金銭給付の透明性を保つ前提となる。

一律支給をめぐる見直し

費用弁償の運用をめぐっては、実費弁償の原則との整合性が問われてきた。とくに議会への出席に対する費用弁償について、議員の居住地から議会までの実際の距離や交通手段にかかわらず、出席一回あたり一律の額を支給する運用が広く行われてきた。こうした一律支給は、近くに住む議員には実費を上回る額が支給されることになり、実費の補填という費用弁償の本来の性格にそぐわないとの批判を受けた。住民の財政に対する関心の高まりも背景に、多くの議会が費用弁償の一律支給を見直し、実費に近づける形に改めたり、近距離の場合の支給を廃止したり、あるいは費用弁償そのものを廃止したりする動きが広がった。費用弁償の見直しは、議会が自らの経費の妥当性を住民に説明する責任と結びついている。

つながりのある用語

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