フロン排出抑制法とは、業務用冷凍空調機器などに使われるフロン類について、製造から使用時の点検・漏えい防止、廃棄時の回収・破壊までの各段階の管理を定め、フロン類の大気への排出を抑える法律である。
エアコンや冷蔵・冷凍機器の冷媒に使われるフロン類は、オゾン層を壊す働きや強い温室効果を持つため、大気へ漏らさない管理が要る。当初は廃棄時の回収だけを定めていたが、使用中の漏えいが想定以上に多いと分かり、機器のライフサイクル全体を通じた対策へと組み替えたのがフロン排出抑制法である。フロン類を作る・輸入する者には低温室効果の冷媒への転換を、業務用機器を使う管理者には定期点検と漏えい防止・記録を、機器を廃棄する者には登録業者への引き渡しと回収を義務づける。自治体は、機器の廃棄段階で回収が確実に行われるよう、廃棄物処理の現場や事業者への指導に関わる。家庭用エアコン・冷蔵庫は家電リサイクル法側で回収される点と整理して理解しておく必要がある。
ライフサイクル全体を貫く管理
フロン排出抑制法の特徴は、フロン類を機器の一生にわたって管理する点にある。前身の法律は廃棄時の回収を中心としていたが、調査の結果、使用中の機器からの漏えいが排出の大きな割合を占めることが分かった。そこで、上流の製造・輸入業者には地球温暖化係数の低い冷媒への転換目標を課し、機器を使う管理者には簡易点検や規模に応じた定期点検、一定量以上漏えいした場合の報告を義務づけ、廃棄時には登録を受けた充塡回収業者への引き渡しと回収・再生・破壊を求める。こうして製造から廃棄までの各段階に責任を割り当て、どこか一点ではなく流れ全体で漏えいを抑える仕組みにしている。
業務用と家庭用の回収ルートの違い
フロン類を使う機器でも、回収の道筋は業務用と家庭用で分かれている。業務用の冷凍空調機器は、フロン排出抑制法に基づき、廃棄する管理者が登録された充塡回収業者にフロンの回収を依頼し、機器の引き渡しを書面で記録する流れになる。これに対し、家庭用のエアコンや冷蔵庫・冷凍庫は、家電リサイクル法の対象として、その回収ルートの中でフロンが回収される。同じフロンでも、機器の種類によって適用される法律と回収の担い手が異なるため、現場で取り違えないことが大切である。自治体は、廃棄物の収集・処理の場面で、フロンを含む機器が正しいルートに乗っているかを確認し、事業者への周知や指導を行う立場にある。
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