プレミアム付商品券とは、額面に一定の割増しの価値を付けて販売される商品券で、地域での消費の喚起や住民の生活の支援を目的として、自治体が発行または発行を補助するものをいう。購入額より多く使える点に特徴がある。
景気の落ち込みや物価の上昇で消費が冷え込んだとき、地域のお金の巡りをどう取り戻すか。プレミアム付商品券は、額面に割増しを付けて売ることで、住民の消費を後押しし、地域の店舗にお金を回そうとする手立てである。
たとえば、一万円で一万二千円分が使える商品券を販売すれば、購入した住民は二千円分得をし、その分だけ多く消費する動機づけとなる。割増しの部分は、自治体が国の交付金などを財源として負担する。商品券は、原則としてその地域の店舗でのみ使えるため、消費を地域内にとどめ、地元の店舗の売上げを支える効果が期待される。景気対策や物価高への対応、消費税率の引上げの際の負担の緩和などの場面で、各地で発行されてきた。一方で、もともと消費する予定だった分に使われるだけで新たな消費を生まないのではないかという、効果をめぐる議論もある。
消費喚起の効果をめぐる議論
プレミアム付商品券には、その効果をめぐって、新たな消費をどれだけ生むのかという根本的な議論がある。割増しを付けて商品券を配れば住民は得をするが、それが、商品券がなければ行われなかった消費を新たに生み出すとは限らない。住民が、もともと買う予定だった食料品や日用品の支払いに商品券を充てれば、その分の現金が手もとに残るだけで、地域全体の消費は増えない。これを下押し効果や、消費の置き換えと呼ぶ。一方で、商品券をきっかけにふだんより高い買い物をしたり、利用できる期間内に使い切ろうとして消費が前倒しされたりする効果もある。発行には事務の費用もかかるため、投じた財源に見合う消費の押し上げが実際にあったのかが問われる。効果を高めるには、対象とする店舗や品目、割増しの率、利用の期間などの設計を工夫することが鍵となる。
デジタル化と事務の負担
プレミアム付商品券は、従来の紙の商品券から、スマートフォンなどを使う電子商品券へと形を変えつつある。紙の商品券は、印刷や販売、店舗での換金、偽造への対策など、発行する自治体にも、受け取る店舗にも多くの事務の負担を生む。電子化すれば、こうした印刷や換金の手間が減り、利用の状況をデータで把握して効果を分析しやすくなる利点がある。一方で、電子商品券は、スマートフォンを持たない高齢者などが使いにくく、利用できる住民が偏るおそれがある。また、店舗の側にも、電子的な決済に対応する手間が生じる。消費の喚起という目的を広く住民に行きわたらせるには、デジタル化の利点を生かしつつ、使える手段を限らないための紙との併用など、誰もが利用できる仕組みづくりへの配慮が求められる。
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