ジチテン

無電柱化

読み:むでんちゅうか

意味

無電柱化とは、電柱・電線を地中化または軒下配線等の方法によって道路上の電柱・架空電線を撤去し、道路景観の改善・防災性能の向上・交通安全の確保を図る取り組みのことである。無電柱化の推進に関する法律(平成28年法律第112号)が2016年に施行されたことで、国・地方公共団体の無電柱化推進が法的な責務として定められた。

道路上に林立する電柱と電線は、災害時に倒れて道路をふさぎ、歩行の妨げや景観の悪化も招く。無電柱化は、電柱・電線を地中化または軒下配線等の方法で撤去し、道路景観の改善・防災性能の向上・交通安全の確保を図る取り組みで、無電柱化の推進に関する法律(平成28年法律第112号)が2016年に施行され、国・地方公共団体の推進が責務として定められた。

技術的には電柱・架空電線の地中化(電線共同溝・直接埋設・管路方式)が主流で、道路管理者(国・都道府県・市区町村)と電力会社・NTT等の電線管理者が費用を分担して整備する。効果は、台風・地震時の倒電柱による道路閉塞の防止、ケーブル切断による停電の防止、電柱という障害物の解消による歩道のバリアフリー化、歴史的街並みの景観保全の四点が主なものである。日本の電柱密度はヨーロッパ主要都市に比べ高水準で、無電柱化の遅れが課題として認識されてきた。

法的根拠と推進計画

無電柱化の推進に関する法律(平成28年法律第112号)は国・地方公共団体・電線管理者に無電柱化を推進する責務を課し、国は「無電柱化推進計画」(現行は5か年計画)を策定する義務を負う。地方公共団体(道路管理者)は「地方版無電柱化推進計画」を策定して地域の優先区間を定める。国が先行整備した国道・幹線道路での事例を参考に、市区町村は補助制度(都市・地域交通局の補助金等)を活用して地域の商店街・観光地・駅前等の無電柱化を推進する。

費用負担と地中化コストの課題

電線共同溝(C-CBOX)方式は地中管路を共同溝として整備し電力・通信線を収容するが、建設費は1kmあたり数億円(地域・路線条件によって大きく異なる)と高額で、整備コストの高さが普及の最大の障壁となっている。費用は道路管理者(自治体)と電線管理者(電力会社・通信会社)で分担するが、分担比率・補助の有無は事業の種別・地域条件によって異なる。コスト縮減のために小型ボックス活用方式(電線共同溝の小型版)や、キャブシステム(道路端の浅い箱型管路)等の低コスト手法の開発・普及が進んでいる。

市区町村の担当部局と実務

無電柱化事業は、市区町村では道路整備担当課(道路課・土木課)が主体となるが、景観・都市計画部門との連携が欠かせない。商店街・観光地では商工観光課・景観担当との協議調整が生じる。電力会社・NTT等の電線管理者との協議(電線共同溝協議)は技術的に複雑なため、都道府県の技術支援を受けながら進める市区町村が多い。整備には長い年数と多額の費用を要するため、防災上重要な路線や観光・景観上の効果が高い区間から優先して進めるのが現実的である。

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