緊急消防援助隊とは、大規模・特殊な災害(地震・火山噴火・NBC災害等)に際し、被災地の消防力を超えた消火・救助・救急活動を実施するため、消防組織法第44条に基づき全国の消防本部が部隊を編成して広域的に応援する制度である。
大地震や火山噴火のような大規模災害では、被災地の消防力だけでは到底対応しきれず、全国からの応援を素早く送り込む仕組みがなければ救える命も救えない。緊急消防援助隊は、被災地の消防力を超える消火・救助・救急活動のため、全国の消防本部が部隊を編成して広域的に駆けつける応援制度である。一つの自治体で抱えきれない災害を全国の消防が支え合う点に意味がある。
阪神・淡路大震災(1995年)で他都市からの応援体制が整っていなかった反省を踏まえ、同年に創設された。消防組織法第44条に基づき、都道府県知事の要請を受けた消防庁長官が出動を指示し、全国の消防本部から部隊が被災地へ派遣される。平時から部隊を登録し訓練を重ねることで、発災時に間を置かず動ける体制が保たれている。
編成と部隊種別
緊急消防援助隊は、現地の指揮を支える指揮支援部隊をはじめ、消火部隊、救助部隊、救急部隊、後方支援部隊、ヘリコプターによる航空部隊、核・生物・化学災害に対応するNBC対応部隊などで構成される。各部隊は被災地の状況に応じて組み合わされ、長期化する災害では交代で部隊を送り込むローテーションが組まれる。消防庁は全国の消防本部に登録部隊の整備・訓練への参加を求め、平時から応援体制を維持する。登録部隊は全国で数千隊規模にのぼり、装備や通信機器の規格をそろえることで、異なる地域の部隊が現地で滞りなく連携できるよう備えている。
派遣の手続きと費用負担
派遣の要請は都道府県知事から消防庁長官への要請が基本ルートであり、消防庁長官が全国の都道府県・消防本部に出動を指示する。派遣にかかる費用(燃料・消耗品・日当等)は派遣元の消防本部が立て替え、後日国・都道府県から補填される。2014年の消防組織法改正で登録部隊の規模が拡充され、地震・風水害いずれの大規模災害にも対応できる体制が整備された。出動した部隊は被災地の消防本部の指揮下に入り、地元の事情に通じた職員と連携しながら活動する。
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