ジチテン

海洋プラスチック

読み:かいようぷらすちっく

別名:海洋プラスチックごみ
意味

海洋プラスチックとは、海に流れ出て漂い、または海岸に漂着するプラスチックごみをいう。自然に分解されにくく、海の生態系や景観に影響を及ぼすほか、細かく砕けたマイクロプラスチックとなって広く拡散することが世界的な問題となっている。

私たちの暮らしを支えるプラスチックは、捨てられて海に流れ出ると、長く分解されずに海をさまよい続ける。海洋プラスチックは、こうして海に流出したプラスチックごみで、国境を越えて広がる地球規模の環境問題となっている。

陸で捨てられたプラスチックごみの多くは、川から海へと流れ出る。海に出たプラスチックは自然には分解されにくく、海を漂い、海岸に漂着し、あるいは海底に沈む。海の生き物がこれを餌と間違えて飲み込んだり、漁網などに絡まったりして、生態系に被害が及ぶ。さらに、プラスチックが波や紫外線によって細かく砕けたマイクロプラスチックは、回収が難しく、海洋全体に広く拡散して、食物連鎖を通じた影響も懸念されている。海洋プラスチックの問題は一国だけでは解決できず、国際的な協調のもとで、プラスチックごみの流出を元から断つ取組みが進められている。市町村も、ごみの適正な処理や散乱の防止、海岸の清掃などによって、その対策に関わっている。

マイクロプラスチックという問題

海洋プラスチックのなかでも、とりわけ対応が難しいのがマイクロプラスチックである。これは、海に流出したプラスチックが、波の力や紫外線によって細かく砕け、五ミリメートル以下の微細な粒子となったものを指す。いったんマイクロプラスチックになると、あまりに小さいために回収はほぼ不可能となり、海洋全体に広く拡散していく。問題は、その微細さゆえに、プランクトンから魚介類、そしてそれを食べる人へと、食物連鎖のなかで取り込まれる可能性がある点にある。プラスチックに含まれる、あるいは吸着した有害な化学物質が、生物の体内に蓄積する懸念も指摘されている。マイクロプラスチックは、いったん生じれば取り除くことができないため、対策は、海に流出する前のプラスチックごみを減らすこと、すなわち発生の抑制に向かわざるをえない。回収できないという特性が、未然の防止の重要性を際立たせている。

発生抑制に向けた取組み

海洋プラスチックへの対策の中心は、海に流れ出るプラスチックごみそのものを減らす発生抑制にある。回収には限界があるため、陸での適正な処理と、使い捨てプラスチックの削減が鍵となる。国内では、レジ袋の有料化や、プラスチックに係る資源循環を進める法律の制定によって、プラスチックの使用そのものを減らし、再生利用を進める取組みが進められている。市町村の段階では、ごみの確実な分別と回収によってプラスチックが環境中に散乱することを防ぎ、河川や海岸の清掃によって流出を食い止める取組みが行われている。海洋プラスチックは、その大半が陸に由来するとされることから、海の問題でありながら、陸での一人ひとりのごみの扱いが解決の鍵を握る。地域での地道なごみ対策が、巡り巡って海の環境を守ることにつながるという認識が広がっている。

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