全国健康保険協会とは、主に中小企業の被用者とその被扶養者が加入する健康保険(協会けんぽ)を運営する保険者である公法人をいう。
医療保険の窓口業務や高額療養費の支給を扱う自治体職員にとって、住民がどの保険者に属するかは給付・調整の前提になる。全国健康保険協会は、健康保険組合を持たない中小企業の従業員とその家族が加入する健康保険を運営する保険者で、通称を協会けんぽという。市町村が保険者となる国民健康保険が自営業者や無職者などの地域住民を対象とするのに対し、協会けんぽは被用者保険であり、保険料は事業主と被保険者が折半する。両者は対象とする加入者が異なるため、住民が就職・退職で被用者保険と国民健康保険の間を移動するたびに資格の得喪が生じ、市町村国保の窓口では協会けんぽからの喪失や加入を確認しながら資格管理を行う。高額療養費の多数回該当の通算や、後期高齢者医療制度への移行に伴う保険者間の調整でも、加入先がどの保険者かが手続の起点になる。国の関与のもとに設立された全国規模の公法人である点で、地域ごとに分立する国民健康保険や健康保険組合とは設立形態が異なる。
国民健康保険との関係と資格管理
全国健康保険協会が運営する協会けんぽと、市町村が運営する国民健康保険は、ともに公的医療保険でありながら対象とする加入者が異なる。協会けんぽは健康保険組合を設立しない中小企業の被用者とその被扶養者を対象とする被用者保険で、国民健康保険は自営業者・無職者など被用者保険に属さない地域住民を対象とする。住民が就職して被用者になれば国保の資格を失って協会けんぽに移り、退職すれば逆の移動が生じるため、市町村国保の窓口では加入・喪失の届出を受けて資格を管理する。住民票上は同じ住民でも、加入する保険者が国保か協会けんぽかで保険料の賦課主体や給付の支給主体が変わるため、窓口での資格確認は給付事務の前提になる。
後期高齢者医療・高額療養費での保険者間調整
医療保険の給付には、複数の保険者をまたぐ調整を要する場面がある。被保険者が七十五歳に達すると、それまで加入していた協会けんぽや国民健康保険の資格を失い、都道府県単位の後期高齢者医療制度へ移行するため、保険者間で資格の引継ぎが生じる。高額療養費の自己負担限度額の計算でも、同一保険者での療養が前提となる多数回該当の通算は保険者が変わると原則として引き継がれず、加入先がどの保険者かが計算の起点になる。協会けんぽの被保険者に係る診療報酬の審査支払は社会保険診療報酬支払基金が担い、国民健康保険を扱う国民健康保険団体連合会と審査支払の機関が分かれている点も、保険者の違いに対応している。
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