財産調査とは、徴税吏員が滞納処分に着手するため、滞納者の預金・給与・不動産・動産等の財産の有無や帰属を質問検査権等に基づき調べる調査をいう。
滞納者の財産を差し押さえようにも、何をどこに持っているかが分からなければ着手できない。財産調査は、差押えの前提として滞納者の財産を把握する徴収実務の出発点であり、地方税法が定める質問検査権を裏付けとして、金融機関への預貯金照会、勤務先への給与照会、取引先や生命保険会社等への反面調査、登記情報による不動産の確認などを組み合わせて行う。照会を受けた金融機関等には回答の協力義務があり、徴税吏員は得られた情報をもとに差し押さえる財産を選定する。財産が判明しない場合は捜索に進むこともあり、調査を尽くしても換価できる財産がないときは滞納処分の停止の判断材料となる。差押えの適法性は調査記録に裏付けられた財産の認定に支えられるため、照会の範囲と手順を正しく踏むことが滞納整理の基礎となる。
質問検査権・捜索との関係
財産調査は、地方税法が各税目について定める質問検査権を法的な裏付けとして行われる。質問検査権は本来、課税標準を把握するための調査権限であるが、滞納処分のための財産調査にも準用され、徴税吏員は滞納者本人のほか取引先・金融機関・勤務先等の第三者に対しても質問し、帳簿書類の提示を求めることができる。照会を受けた者には回答・提示の義務があり、正当な理由のない拒否や虚偽の回答には罰則が及ぶ。一方、滞納者の住居や事務所に立ち入って財産を実地に探す捜索は、質問・照会では財産が判明しない場合に用いる強制力を伴う手続であり、財産調査の一手段でありながら相手方の同意を要しない点で照会と性格を異にする。実務では、まず文書照会で財産を把握し、判明しないときに捜索へ進む段階的な運用がとられる。
預貯金照会・反面調査の実務
財産調査の中心は、金融機関に対する預貯金照会と、勤務先に対する給与照会である。預貯金照会では、滞納者名義の口座の有無と残高を金融機関に照会し、回答を待って差押えへ進む。近年は預貯金等照会の電子化が進み、自治体と金融機関を専用ネットワークで結んで照会・回答を行う仕組みが広がっている。給与照会では、勤務先に支給額と社会保険料・税の控除額を照会し、差押禁止額を計算したうえで給与債権を差し押さえる。滞納者本人の協力が得られない事案では、取引先・生命保険会社・共済等への反面調査で財産や債権の所在を把握する。調査の経過と回答は滞納管理の記録に残し、後の差押えの適法性や不納欠損・滞納処分の停止の判断を説明できるようにしておく必要がある。
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