市街地開発事業等予定区域とは、都市計画法に基づき、大規模な都市施設や市街地開発事業の用地を将来確実に確保するため、事業の内容を定める前段階で区域だけを先行して都市計画に定める地域地区である。
大規模な新住宅市街地開発や根幹的な都市施設の整備を予定していても、事業計画が固まるまで何年もかかる間に区域内の地価が高騰したり建物が建て込んだりすれば、用地確保が困難になる。予定区域は、この用地の青田買いを制度的に支える仕組みである。都市計画法12条の2は、新住宅市街地開発事業・工業団地造成事業・新都市基盤整備事業・流通業務団地と、根幹的な都市施設である一団地の住宅施設・一団地の官公庁施設・流通業務団地について、事業の概要を定める前に予定区域だけを先に決定できると定める。予定区域が決定されると、区域内で建築物の建築や土地の形質変更を行うには知事等の許可が必要となり(都市計画法52条の2)、許可されない場合は土地所有者が施行予定者へ買い取りを請求できる(同52条の4・52条の5)。予定区域の決定から3年以内にその区域を対象とする市街地開発事業や都市施設の都市計画が定められないと、予定区域の都市計画は効力を失う(同12条の2第5項)。地区計画等の予定区域とは別系統の制度であり、扱う事業・施設の種類と建築制限の強さが異なる。
建築制限と買取請求がセットで働く理由
予定区域の核心は、強い建築制限と土地の買取請求権が一体で設計されている点にある。区域が決定されると、区域内で建築物を建築し、または土地の形質を変更しようとする者は知事等の許可を受けなければならない(都市計画法52条の2第1項)。これは都市計画施設の区域内における建築規制(同53条)よりも厳しく、原則として許可されない。一方でこの強い制限は土地所有者に大きな受忍を強いるため、許可が得られず従前の利用ができなくなる土地について、所有者は施行予定者に対し時価での買い取りを請求できる(同52条の4)。制限により塩漬けにせず、確保すべき用地は施行予定者が早期に取得できるようにする趣旨である。施行予定者を定めて決定する点も、通常の市街地開発事業の都市計画決定と異なる特徴である。
3年の期間制限と都市計画の失効
予定区域は本来の事業決定までの暫定措置であるため、漫然と区域指定を続けることは認められない。都市計画法12条の2第4項・第5項は、予定区域に関する都市計画が定められた日から3年以内に、その予定区域に係る市街地開発事業または都市施設に関する都市計画が定められないときは、予定区域に関する都市計画はその期間の満了の日の翌日から将来に向かって効力を失うと定める。期間内に本体の事業・施設の都市計画決定へ移行できなければ、強い建築制限も自動的に解除される仕組みである。これにより、用地確保のための先行指定が長期間住民の財産権を拘束し続ける事態を防いでいる。実務では、予定区域の決定後、用地交渉や事業計画の精査と並行して本体の都市計画決定の手続を進め、3年の期限内に確実に移行させる工程管理が要点となる。
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