わがまち特例(地域決定型地方税制特例措置)とは、地方税の課税標準等の特例割合を、法律が定める範囲内で地方公共団体が条例によって自ら決定できる仕組みをいう。
固定資産税の特例割合をどう設定するかを国が一律に決めるのではなく、地域の実情に応じて自治体自身が条例で選べるようにしたのがわがまち特例であり、課税自主権を特例措置の場面に及ぼした制度である。従来、地方税の課税標準の特例は国がすべて一律に定めていたが、平成24年度税制改正で導入されたこの仕組みにより、一部の特例について国が参酌すべき基準と上限・下限の範囲を法律で示し、その範囲内で具体的な割合を地方公共団体が条例で定める方式へ転換した。対象は主に固定資産税・都市計画税の課税標準の特例であり、再生可能エネルギー発電設備や省エネ改修住宅、津波対策の施設など、政策的に投資を促したい資産が選ばれている。自治体は地域の産業政策や防災施策と整合させて割合を設定でき、条例で何も定めなければ参酌基準(標準的な割合)が適用される。地方分権の理念を税制の細部にまで具体化した制度として位置づけられる。
仕組みと条例による割合設定
わがまち特例は、地方税法が特例割合について「参酌すべき基準」と上限・下限を示し、その範囲内で地方公共団体が条例によって具体的な割合を定める方式をとる。たとえば課税標準を一定割合に軽減する特例について、法律が「3分の1を参酌し、6分の1から2分の1までの範囲」と定めると、自治体はこの範囲で条例により割合を選択できる。条例で定めをしなければ参酌基準(標準的な割合)が適用されるため、何も決めないという選択も成り立つ。これにより、投資を強く促したい資産には軽減を手厚くし、そうでない資産には抑制的にするといった政策的な裁量が、課税団体である市町村等に与えられる。
導入の経緯と対象
わがまち特例は平成24年度税制改正で導入された。地方税の課税標準の特例(いわゆる非課税等特別措置)は、従来は国が全国一律に内容を定めており、地域ごとの政策判断を反映する余地がなかった。これを改め、地方分権の理念に沿って自治体の裁量を一部の特例に及ぼしたものである。対象は固定資産税・都市計画税の課税標準の特例が中心で、再生可能エネルギー発電設備、省エネルギー改修を行った住宅、汚水・廃棄物処理施設、津波避難施設など、国の政策目的に沿いつつ地域差を認めてよい資産が順次追加されてきた。課税自主権の一形態であり、超過課税や法定外税が税率・税目の自主性であるのに対し、わがまち特例は特例割合の自主性を担う点に特徴がある。
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