通訳案内士とは、報酬を得て外国語で外国人旅行者に付き添い、旅行に関する案内をする者をいう。
外国人観光客を受け入れる地域で「ガイドを誰が担えるのか」を整理するとき、通訳案内士の制度を押さえる必要がある。通訳案内士は通訳案内士法に基づく国家資格で、観光庁が所管し、語学に加えて日本の地理・歴史・産業・文化の知識を問う試験に合格して登録する。2018年の法改正で業務独占が廃止され、無資格でも有償ガイドができるようになったが、「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」の名称独占は残り、資格者であることを示す信頼の指標として機能している。地域通訳案内士は、特区や地域限定で都道府県等が研修・登録を行う仕組みで、人材不足の地域でガイドの担い手を確保する手段となる。自治体の観光振興担当にとって、通訳案内士の確保・育成はインバウンド受入環境整備の柱の一つである。
業務独占の廃止と名称独占
通訳案内士は通訳案内士法に基づく国家資格で、2018年(平成30年)施行の改正法により大きく性格が変わった。改正前は資格者でなければ報酬を得て外国語による旅行案内を行えない業務独占資格であったが、改正で業務独占が廃止され、資格がなくても有償ガイドができるようになった。一方で「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」の名称は資格者・登録者でなければ用いることができない名称独占として残された。これにより、資格は法的な参入規制から、語学力と日本の地理・歴史・文化への精通を担保する品質表示へと役割を移している。
地域通訳案内士と自治体の関与
全国通訳案内士は観光庁所管の試験に合格して登録する全国共通の資格であるのに対し、地域通訳案内士は地域の実情に応じて都道府県・政令市等が研修を実施し、特定の地域に限って案内業務を行える者を登録する制度である。もとは構造改革特区・総合特区の特例として始まり、現在は通訳案内士法に基づき全国で導入できる。報酬を得るガイドの裾野を広げつつ、観光地としての説明品質を一定に保つ狙いがあり、自治体にとっては地域限定でガイド人材を機動的に育成・確保する手段となる。受入環境整備の補助制度と組み合わせて研修費を手当てする例も多い。
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