通学路とは、児童生徒が通学のために通行する道路として、学校や市区町村教育委員会が指定・把握する経路である。
登下校中の交通事故や不審者対策で「どの道を安全な通学路として扱うか」を決めるのが、この通学路の指定である。小学校等では学区内の主要な通学経路を通学路として定め、教育委員会・学校・道路管理者・警察・PTAが連携して安全を確保する。2012年に登下校中の児童が巻き込まれる死亡事故が相次いだことを契機に、文部科学省・国土交通省・警察庁が連携する通学路交通安全プログラムが各市区町村で策定され、合同点検・危険箇所の抽出・対策の優先順位付け・実施状況の検証が継続的に行われている。交通安全だけでなく、防災の面でも、災害時にいつもの通学路が危険になる場合の代替経路の確認が課題になる。市区町村では教育委員会と道路担当課が、警察やスクールゾーンの設定とあわせて通学路の安全対策を所管する。
通学路交通安全プログラム
通学路の安全確保の中心的な枠組みが、通学路交通安全プログラムである。2012年(平成24年)に登下校中の児童が死傷する事故が連続したことを受け、文部科学省・国土交通省・警察庁が連携して全国的な緊急合同点検が行われ、その後の継続的な取組として各市区町村がプログラムを策定した。市区町村はこのプログラムに基づき、学校・PTA・道路管理者・警察による通学路の合同点検を定期的に実施し、危険箇所を抽出して、歩道整備・ガードレール・路面標示・信号機設置等の対策を優先順位を付けて講じ、実施状況を検証して次の点検につなげる。学校単位の点検結果を市区町村全体で取りまとめ、対策の進捗を管理する点に、行政の継続的な関与がある。
防災・防犯の観点
通学路は交通安全だけでなく、防災・防犯の面でも安全確保の対象になる。防災では、ハザードマップで通学路上の浸水想定区域や土砂災害警戒区域を確認し、災害時に「いつもの道」が危険になる場合の代替経路や避難先をあらかじめ家庭・学校で共有しておくことが課題となる。防犯では、見通しの悪い場所や人目の少ない区間を点検し、防犯カメラの設置・見守り活動・子ども110番の家の配置等で対策する。スクールゾーン(通学時間帯の車両通行規制等を行う区域)の設定もこの一環で、登下校時間帯の安全を空間的に確保する。これらは教育委員会・道路担当課・警察・地域団体の連携で進められる。
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