都市計画制限とは、都市計画決定された都市計画施設の区域や市街地開発事業の施行区域などにおいて、将来の事業の施行を妨げないよう、建築物の建築その他の行為に対して都市計画法が課す制限の総称をいう。
都市計画道路の予定地に家を建てようとした住民が「木造2階建てまでなら建てられる」と言われるのはなぜか。都市計画制限は、都市計画決定の段階(事業認可前)から効力が生じる点で、私権を制約する都市計画法の中核的な仕組みである。代表的なものに、都市計画施設等の区域内で建築物を建築する際に都道府県知事等の許可を要し、容易に移転・除却できる木造2階建て程度に許可基準が限定される制限(都市計画法第53条・第54条)、市街地開発事業の施行区域内で土地の形質変更や建築を制限する規定(同第65条)がある。事業の進捗段階に応じて制限は段階的に強まり、事業認可後はより厳格な制限に移行する。制限を受ける土地の所有者には、一定の場合に土地の買取りを請求できる救済措置が用意されている。
都市計画法第53条の建築制限と許可基準
都市計画施設の区域内または市街地開発事業の施行区域内で建築物を建築しようとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない(都市計画法第53条)。許可の基準は同第54条が定め、階数が2以下で地階を有せず、主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造などで容易に移転・除却できる建築物であることなどが要件となる。これは、将来の都市計画事業の施行時に建築物の補償額を抑え、事業を円滑に進めるための制限であり、堅固な建築物を未然に防ぐ趣旨である。許可を要しない軽易な行為や、非常災害の応急措置などは例外とされる。
段階に応じた制限の強化と土地の買取り請求
都市計画制限は事業の進捗に応じて強まる。都市計画決定の段階では第53条の建築許可制にとどまるが、都市計画事業の認可・告示後は、事業地内で施行の障害となる土地の形質変更や建築物の建築等が知事等の許可制となり(都市計画法第65条)、許可基準も事業の妨げとなるか否かで判断されるため事実上厳格になる。長期にわたり建築制限を受ける土地所有者の救済として、都市計画施設の区域内の土地について、施行予定者等に対する土地の買取り申出の制度が設けられている。制限の長期化が問題視され、未着手の都市計画道路の見直しが各地で進められている背景にもこの仕組みがある。
つながりのある用語
関連
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)