トップランナー方式とは、地方交付税の基準財政需要額の算定において、民間委託など歳出効率化に先進的に取り組む団体の経費水準を単位費用に反映させる仕組みをいう。
基準財政需要額は各団体の標準的な行政経費を見積もるが、その単位費用を全国平均の実績に置くと効率化の努力が報われにくい。これを是正するために2016年度から導入されたのがトップランナー方式であり、窓口業務や施設管理など民間委託・指定管理が進んだ業務で、先進的な団体が達成している費用水準を標準的な経費とみなして単位費用に織り込む。対象は学校用務員事務や本庁舎清掃、案内・受付、公園管理、体育館などの公の施設運営といった業務に及び、複数年度をかけて段階的に経費水準を反映させる方式がとられた。結果として効率化が遅れた団体は基準財政需要額が抑えられ、交付税の算定そのものが歳出改革を促す誘導策となる。一方で、地域の実情によって民間委託になじまない業務まで一律に効率化を前提とすれば、必要な行政サービスの水準を切り下げかねないとの懸念もあり、対象業務の選定や反映割合は慎重に運用されている。
対象業務と段階的な反映
トップランナー方式は基準財政需要額の全費目に及ぶものではなく、民間委託や指定管理者制度の活用が比較的進んでいる業務に限って導入された。学校用務員事務、本庁舎の清掃・夜間警備、案内・受付、電話交換、公用車運転、道路維持補修、公園管理、図書館・博物館・体育館など公の施設の運営といった定型的・外部委託可能な業務が対象として整理され、業務ごとに複数年度をかけて先進団体の経費水準へ単位費用を近づける。窓口業務など委託の制度設計に課題が残る分野は導入が見送られるなど、対象選定は一律ではない。
交付税による歳出改革誘導の論点
この方式は、地方交付税の財源保障機能を使って全団体に歳出効率化を促す政策誘導の性格を持つ。効率化の進んだ団体の水準を標準とすることで、まだ取り組んでいない団体は基準財政需要額が相対的に抑えられ、交付税が減る圧力を受ける。財源保障を効率化のてことして使う設計には、人口減少地域など民間市場が成立しにくい団体では委託前提のコスト水準が現実的でないとの批判があり、画一的な効率化前提が必要なサービス水準を損なうおそれが指摘される。導入後も対象業務の拡大には慎重論が根強く、反映割合や対象の見直しが論点であり続けている。
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