ジチテン

特定農山村法

読み:とくていのうさんそんほう

別名:特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律
意味

特定農山村法とは、傾斜地が多いなど農林業の生産条件が不利な特定農山村地域について、農林業その他の事業の活性化のための基盤整備を促進し、地域経済の発展と国土の保全に資することを目的とする法律である。

中山間地域で農林業の担い手が高齢化し耕作放棄が広がるなかで、こうした条件不利地域の農林業をどう立て直すか。特定農山村法は、傾斜が急で平地が少ないといった生産条件が不利な地域を「特定農山村地域」として定め、その活性化のための基盤整備を支える1993年制定の法律である。市町村は、都道府県の定める基本方針に即して農林業等活性化基盤整備計画を作成し、その計画に基づき農地・林地の利用調整や施設整備、新たな事業の導入を進める。計画区域内では、農用地の権利移動や開発に関する手続の特例、税制上の特例などが講じられる。山村振興法過疎法半島振興法などと同じく特定の条件不利地域を対象とする地域振興立法であり、対象地域は中山間地域や過疎地域と地理的に大きく重なるため、一つの市町村が複数の法律で重複して指定されることが珍しくない。中山間地域等直接支払制度の対象地域を画する根拠法の一つにもなっている。

農林業等活性化基盤整備計画と地域振興立法の重複

特定農山村法の中心的な仕組みは、市町村が作成する農林業等活性化基盤整備計画である。市町村は、国の基本方針と都道府県の定める方針に即して、特定農山村地域における農用地・森林の保全と利用、農林業の経営の改善、新たな事業の導入などに関する計画を定め、これに基づいて基盤整備や事業活動の活性化を進める。計画区域では農用地の利用集積や権利移動の手続特例などが用意され、地域の実情に応じた土地利用調整を後押しする。特定農山村地域は、山村振興法による振興山村、過疎法による過疎地域、半島振興法・離島振興法による対象地域などと地理的に重なり合うことが多く、一つの市町村が複数の地域振興立法で同時に指定されることが珍しくない。それぞれの法に基づく計画や支援措置は対象施策が異なるため、市町村の地域振興担当課は、どの法律のどの支援を組み合わせるかを地域ごとに整理する必要がある。

中山間地域等直接支払制度との関係

特定農山村法は、中山間地域等直接支払制度の対象農用地を画する根拠法の一つとして実務上重要である。同制度は、平地に比べて生産条件が不利な中山間地域等の農用地について、集落協定に基づき農業生産活動を継続する農業者に交付金を支払う仕組みであり、その対象地域は特定農山村法・過疎法・山村振興法・半島振興法・離島振興法などで指定された地域のうち、傾斜などの一定の要件を満たす農用地とされている。したがって、ある農用地が直接支払の対象となるかを判定する際には、特定農山村地域に該当するか否かが指定地域要件の一つとして確認される。特定農山村法そのものは交付金を直接定める法律ではないが、条件不利地域を法的に画する役割を担い、中山間地域の農業を支える諸制度の土台の一つとなっている。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)