特定盛土等規制区域とは、宅地造成及び特定盛土等規制法に基づき都道府県知事等が指定する、市街地等から離れていても盛土等が崩落すれば居住者等に被害を及ぼすおそれがある区域をいう。
危険な盛土は市街地だけで起きるわけではなく、山間部の谷を埋める造成が下流の集落を脅かすこともある。こうした市街地から離れた場所での盛土等を規制するために設けられたのが特定盛土等規制区域である。宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に基づき、都道府県知事や指定都市・中核市の長が、宅地造成等工事規制区域以外の土地のうち、盛土・切土・土石の堆積が行われれば崩落等により居住者その他の者に危害を及ぼすおそれがある区域として指定する。区域内では一定規模を超える盛土等に許可が必要となり、技術的基準への適合審査や工事中・完了後の検査を受ける。市街地に近く危険性が高い宅地造成等工事規制区域に比べ、許可を要する規模の閾値が大きく設定されている点が制度上の違いである。熱海市の盛土崩落災害を受けて、土地の用途や場所を問わず危険な盛土を捕捉する枠組みとして新設された。区域の指定にあたっては都道府県等が基礎調査を行い、地形・地質や下流の人家の有無を踏まえて範囲を定める。
宅地造成等工事規制区域との規模要件の差
特定盛土等規制区域は、盛土規制法が定めるもう一方の規制区域である宅地造成等工事規制区域と、対象地域の性格と許可を要する規模で区別される。宅地造成等工事規制区域が市街地・集落とその周辺の危険性の高い区域を対象とし小さな規模から許可を求めるのに対し、特定盛土等規制区域は市街地から離れた区域を対象とし、許可を要する盛土等の規模の閾値がより大きく設定される。これは、人家が密集する区域ほど小規模な造成でも被害が大きくなりやすいという危険度の差を反映したものである。同じ盛土でも、いずれの区域に位置するかで許可の要否や手続の重さが変わるため、計画地がどちらの区域にかかるかを最初に確認する。
盛土規制法による全国一律規制と区域指定
特定盛土等規制区域は、令和3年の熱海市の盛土崩落災害を契機に制定された宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)によって新設された区域である。旧来の宅地造成等規制法が市街地の宅地造成に規制を限っていたのに対し、盛土規制法は土地の用途を問わず危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する。その柱の一つが、市街地から離れた場所での盛土をも捕捉するこの区域である。区域の指定は、都道府県等が地形・地質、崩落した場合に被害を受ける人家等の存在を調べる基礎調査を踏まえて行う。指定後は区域内の盛土・切土・土石の堆積が許可・検査の対象となり、無許可の造成には是正命令や罰則が用意されている。
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