ジチテン

特定建設作業

読み:とくていけんせつさぎょう

意味

特定建設作業とは、建設工事として行われる作業のうち著しい騒音または振動を発生させるものとして政令で定められ、騒音規制法・振動規制法に基づき規制の対象となる作業をいう。

工事現場の騒音や振動について住民から苦情が寄せられたとき、自治体はどの作業を規制できるのか。特定建設作業は、騒音規制法振動規制法が規制対象とする建設作業で、くい打機やびょう打機、削岩機、空気圧縮機を用いる作業などが政令で列挙されている。これらの作業を規制地域内で行う事業者は、作業開始の7日前までに市町村長へ届け出る義務を負い、作業時間帯や日数、騒音・振動の大きさについて規制基準を守らなければならない。基準を超えた場合、市町村長は改善勧告や改善命令を行うことができる。建設作業の騒音・振動は一時的で移動する発生源であるため、工場・事業場のように施設を特定して常時規制する仕組みとは別建てで、作業の種類と期間に着目した規制が組まれている。自治体の環境部門や建設指導部門にとって、工事に伴う近隣トラブルへの対応の根拠となる基本概念である。

届出義務と規制基準

特定建設作業を規制地域内で行おうとする事業者は、原則として作業の開始日の7日前までに、作業の場所・期間・時間や騒音または振動の防止方法などを市町村長に届け出なければならない。規制地域は、住居が集合する地域など静穏の保持を要する区域として都道府県知事(政令市等では市長)が指定する。届け出られた特定建設作業には規制基準が適用され、騒音規制法では敷地境界線で原則85デシベルを超えないこと、作業できる時間帯や1日あたりの作業時間、日曜・休日の作業禁止などが定められている。これに違反して周辺の生活環境が損なわれると認められるとき、市町村長は期限を定めて騒音・振動の防止方法の改善や作業時間の変更を勧告でき、従わない場合は改善命令を発することができる。

施設規制との違いと自治体の運用

大気汚染防止法ばい煙発生施設や、騒音規制法・振動規制法の特定施設は、工場・事業場に設置されて継続的に稼働する発生源であり、設置の届出と常時の基準遵守を求める施設規制の対象である。これに対して特定建設作業は、工事の期間中だけ行われ場所も移動する一時的な発生源であるため、施設としてではなく「作業の種類」を政令で特定し、作業ごとの届出と期間中の基準遵守を求める方式がとられている。自治体の窓口には工事騒音をめぐる苦情が多く持ち込まれるが、規制できるのは法令上の特定建設作業に該当し、かつ規制地域内で行われるものに限られる。該当しない作業や地域については、指導や事業者との話し合い、条例による上乗せ・横出し規制で対応することになり、法規制の射程を正確に把握しておくことが現場対応の前提となる。

つながりのある用語

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