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特定防災街区整備地区

読み:とくていぼうさいがいくせいびちく

別名:防災街区整備地区
意味

特定防災街区整備地区とは、密集市街地整備法に基づき、防火地域・準防火地域内の密集市街地で延焼防止と避難の機能を確保するため、建築物の耐火性能や敷地面積の最低限度等を都市計画で定める地域地区である。

燃え広がりやすい木造の建て込んだ一帯で、ただ防火地域に指定するだけでは小さな敷地に低い建物が並ぶ構造が変わらないとき、自治体はどの制度で街区そのものを作り替えるかを迫られる。特定防災街区整備地区は密集市街地整備法に基づく地域地区で、防火地域または準防火地域の中でも特に防災上の危険が高い密集市街地に重ねて指定し、通常の用途地域や防火規制では届かない街区単位の不燃化・耐震化を都市計画として担保する。具体的には、建築物の構造を耐火建築物等に限る制限のほか、敷地面積の最低限度、壁面の位置の制限、防災都市計画施設に係る間口率や高さの最低限度といった、延焼遮断帯の形成と避難路の確保に直結する事項を定める。これにより、敷地の細分化を抑えながら沿道を不燃化し、火災時に燃え広がりを食い止める骨格を市街地に組み込む狙いがある。指定後は建築確認の段階で個々の建築物がこれらの制限に適合するかが審査され、地区計画とは異なり制限が建築基準法によって直接効力を持つ点が実務上の要になる。同じ密集市街地整備法の防災街区整備事業が老朽建築物の除却と建替えを面的に行う事業手法であるのに対し、本地区は建築規制を継続的にかけ続ける地域地区であり、両者は密集市街地を整える二つの異なる道具として使い分けられる。

防火地域に重ねる「もう一段」の地域地区

特定防災街区整備地区は、防火地域・準防火地域という建築基準法の地域地区の上に、密集市街地整備法を根拠としてさらに重ねて指定される点に特徴がある。防火地域の指定だけでは建築物を耐火・準耐火構造に誘導できても、敷地が細かく分かれたまま低層の建物が密集する街区の構造そのものは変わらない。そこで本地区では、耐火性能の確保に加えて敷地面積の最低限度を定めて過度な敷地分割を抑え、壁面の位置の制限や間口率の最低限度によって沿道に連続した不燃の壁面を形成させる。これらは延焼遮断帯を都市計画として街区に書き込む手段であり、火災が一区画から隣へ燃え移る経路を物理的に断つことを目的とする。指定は都市計画決定の手続を経て行われ、定められた制限は建築確認の審査を介して個々の建築行為を拘束する。

防災街区整備事業との役割分担

同じ密集市街地整備法には防災街区整備事業という面的整備の手法があり、本地区としばしば一体で語られるが、両者の性格は異なる。防災街区整備事業は権利変換の手法を用いて老朽建築物を除却し、防災性能を備えた建築物と公共施設を一体的に造り替える事業であり、いわば街区を作り直す行為である。これに対して特定防災街区整備地区は、いったん指定すれば以後の建築行為に継続的に制限をかけ続ける地域地区であり、街区の状態を維持・誘導する規制の枠組みである。実務では、危険度の高い密集市街地に対してまず本地区を指定して不燃化の方向を都市計画上固定し、合意形成が整った区域から防災街区整備事業や防災街区整備地区計画を組み合わせて面的な建替えを進める、という重層的な使い方がされる。どの区域にどの制度を当てるかの見極めが、密集市街地の解消に向けた計画づくりの勘所になる。

つながりのある用語

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