ジチテン

特別多数決

読み:とくべつたすうけつ

別名:特別多数議決
意味

特別多数決とは、地方議会の議決のうち、出席議員の過半数による通常の表決ではなく、出席議員の3分の2以上や4分の3以上といった通常より重い賛成数を成立要件とする議決のことをいう。

ある議案が過半数で通るのか、それとも3分の2以上の賛成がいるのかは、可決の見通しを左右する実務上の最初の確認事項である。地方自治法第116条第1項は議会の議決を出席議員の過半数によると定め、これを通常の表決(一般多数決)とする。しかし議員の身分や議会の根幹にかかわる一部の事項については、少数派の保護や慎重な判断を確保するため、過半数を超える賛成数が個別の条文で要求される。これが特別多数決であり、要求される割合は事項ごとに異なる。出席議員の3分の2以上を要するのは、議員の除名(第135条第3項)、議員の資格決定議席を失わせる場合(第127条第1項)、事務所の位置を定める条例の制定改廃(第4条第3項)、再議に付された条例・予算を原案どおり維持する再可決(第176条第3項)などである。秘密会の開催は出席議員の3分の2以上の議決を要し、長の不信任の議決はさらに重い要件が課されるなど、可決のハードルは案件によって段階づけられている。表決要件が重くなっても定足数は通常どおり議員定数の半数以上であり、定足数と表決要件は別個に判断される点に注意を要する。

通常の議決と特別多数決の区別

地方議会の意思決定は出席議員の過半数による議決が原則であり(地方自治法第116条第1項)、条例の制定改廃や予算の議決も原則としてこの一般多数決で足りる。これに対し特別多数決は、過半数ではなく出席議員の3分の2以上または4分の3以上の賛成を成立要件とする例外的な議決方法である。両者を分ける基準は議案の重さであり、議員個人の身分を奪う処分や、いったん決した事項を覆す再可決、議会運営の根幹にかかわる事項など、多数派の一存で決することが妥当でない場面に限って法が個別に重い要件を置く。どの事項にどの割合が課されるかは条文ごとに定められており、一律ではない。

3分の2以上を要する主な事項

出席議員の3分の2以上の同意を要する代表例は、議員の除名(地方自治法第135条第3項)、資格決定により議席を失わせる議決(第127条第1項)、事務所の位置を定める条例の制定改廃(第4条第3項)、長から再議に付された条例・予算を原案どおり可決する再可決(第176条第3項)、秘密会の開催(第115条第1項ただし書)である。これらはいずれも、議員の地位や議会の意思の安定性、会議公開原則といった重要な利益にかかわるため、単純過半数より高い同意を求めて少数派の権利と判断の慎重さを担保している。なお首長に対する不信任の議決は、議員数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上が同意するというさらに重い要件が課される(第178条第3項)。

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