ジチテン

転任

読み:てんにん

意味

転任とは、地方公務員法第17条に基づく任用の形態の一つであり、職員を昇任・降任によることなく、現在の職以外の職に任命することをいう。

人事異動の発令で「○○課長へ命ずる」とあるとき、それが昇格を伴うのか、横すべりなのかで法的な性格が変わる。同格の職へ移す異動を任用法上どう位置づけるかが、転任という区分の実務上の意味である。任用には採用昇任降任・転任の4形態があり、転任はこのうち上下の移動を伴わない異動を指す。職制上の段階や給料表上の格付けが変わらないまま、職務内容や所属が変わる点で、上位職への昇任や下位職への降任と区別される。実務上の「配置転換」や「異動」と重なるが、転任は任命権者による任命行為としての法的形態を指す概念であり、職員の身分や能力実証の要否といった法効果の議論に用いられる。条例規則で職務の級が同一にとどまる異動の多くが、法的には転任に当たる。

任用4形態における転任の位置

地方公務員法第17条は、職員の任用を採用・昇任・降任・転任の4つの形態で行うものとしている。このうち採用は職員でない者を職に就ける行為、昇任は上位の職への任命、降任は下位の職への任命であり、いずれも身分の発生や職制上の段階の上下を伴う。転任はこれらのいずれにも当たらない異動、すなわち職員をその職制上の段階を変えずに別の職へ任命する形態を受け持つ。4形態は任命権者の行う任命行為を漏れなく分類する枠組みであり、ある異動がどの形態に当たるかは、それに伴う手続や能力実証の要否を判断する前提になる。転任は4形態のうち上下動を伴わない受け皿として、日常的な定期人事異動の大部分を法的に説明する区分である。

配置転換・人事異動との異同

実務では「異動」「配置転換」という語が広く使われるが、これらは必ずしも任用法上の形態と一対一で対応しない。配置転換は、同一の任命権者のもとで職務内容や勤務場所を変える人事上の措置を指す事実的・管理的な概念であり、その法的形態としては多くが転任に当たる。一方、昇格を伴う異動は昇任、降格を伴う異動は降任として整理され、配置転換の語ではくくられない。すなわち転任は任命行為の法的性格に着目した区分、配置転換は組織運営上の措置に着目した区分であり、視点が異なる。両者を区別して理解しておくと、異動内示辞令の意味、能力の実証を要するか否かといった法的論点を正確に押さえられる。

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