ジチテン

適正化指針

読み:てきせいかししん

別名:公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針
意味

適正化指針とは、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入札契約適正化法)第17条に基づき国が閣議決定で定める指針で、公共工事の入札契約の適正化を図るため発注者が取り組むべき事項を体系的に示したものである。法律が義務づける措置にとどまらず、発注者が努めるべき望ましい運用までを含めて指針として定める点に特徴がある。

入札契約適正化法は情報の公表や一括下請の禁止といった最低限の義務を定めるが、それだけでは現場の運用がばらつき、発注者ごとに適正化の水準に差が出る。適正化指針は、この法律が国に定めるよう求める指針で、義務化までは至らないが発注者が従うことが望ましい取組みを具体的に示し、各発注者の運用を一定の方向にそろえる役割を担う。入札契約適正化法第17条に基づき国土交通省総務省財務省が案を作成し閣議決定で定められ、ダンピング対策、低入札価格調査の活用、施工体制の確認、不正行為への対応などを横断的に扱う。法律本体が定める適正化措置が「守らなければならない最低線」であるのに対し、適正化指針は「目指すべき望ましい運用」を描く位置づけにあり、自治体は両者を区別して理解する必要がある。発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)が品質確保を主眼に発注者の事務を導くのに対し、適正化指針は適正化法を根拠に入札契約手続の公正さを担保する点で守備範囲が異なる。

法律本体の義務との違い

入札契約適正化法は、すべての発注者に共通して課す義務(入札・契約に関する情報の公表、施工体制台帳の提出を受けての点検、一括下請負の禁止の徹底、談合等の不正行為があると疑うに足りる事実があるときの公正取引委員会への通知など)を定める。これらは違反すれば是正の対象となる強行的な規律である。これに対し適正化指針は、同法第17条が国に作成を求めるもので、義務までは課さないが発注者が取り組むことが望ましい事項を網羅的に示す。たとえば予定価格の適正な設定、低入札価格調査制度最低制限価格の活用、ダンピング受注の排除、施工状況の評価といった運用上の工夫が並ぶ。つまり同じ法律の中に「義務(守るべき最低線)」と「指針(目指すべき水準)」の二層があり、適正化指針は後者を担う。

ほかの指針との役割分担

公共工事をめぐる国の指針には、適正化法に基づく適正化指針のほかに、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)に基づく発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)がある。両者は対象が重なるが根拠法と狙いが異なり、適正化指針は入札契約手続の公正さ・透明性の確保を、運用指針は工事の品質確保と担い手の育成を主眼に置く。実務では、ダンピング対策のように両指針が同じ方向で発注者に取組みを促す論点もあり、自治体の契約担当はどちらの根拠に基づく要請かを区別しつつ、自団体の入札契約制度に反映していくことになる。指針は法改正や社会情勢に応じて改定されるため、最新版の内容を確認する必要がある。

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