提案募集方式とは、地方分権改革を進めるため、権限移譲や規制緩和の対象を自治体など地方側からの提案を募って選定する手法をいう。
現場で支障となっている国の関与をどう見直しに乗せるか——提案募集方式は、その起点を自治体側に置いた仕組みである。国が一律にメニューを示して移譲分野を決める従来のやり方に対し、2014年から導入されたこの方式では、都道府県・市区町村や全国知事会などの地方六団体が、毎年、見直してほしい権限移譲や規制緩和の具体的提案を国に提出する。内閣府の地方分権改革推進室が窓口となり、提案は関係府省との調整を経て、対応の可否が整理される。実現するものは一括法の改正や政省令の改正、通知の発出などにより措置される。現場の支障事例という具体的な根拠を伴うため、抽象的な権限論よりも調整が進みやすい反面、府省が「対応不可」とした提案は実現しないなど限界もある。自治体にとっては、日々の事務で感じる法令の不合理を制度改正につなげる数少ない公式ルートである。
仕組みと流れ
提案募集方式は、地方分権改革に関する地方からの提案を毎年募集し、国が対応を検討して措置する一連のサイクルである。流れはおおむね、地方六団体や個別自治体による提案の提出、内閣府による受付と整理、関係府省との調整、地方分権改革有識者会議での審議、対応方針の閣議決定、そして法律改正(地方分権一括法)や政省令・通知の改正による措置という順に進む。提案は権限移譲だけでなく、義務付け・枠付けの緩和、手続の簡素化、補助要件の見直しなど広い範囲に及ぶ。実現の可否は府省の判断に左右され、現行制度で対応可能と整理されるものや、対応不可とされるものもある。それでも、現場の支障事例を根拠とするため、抽象的な分権論より具体性が高く、毎年一定数の措置が積み上がっている。自治体の担当課にとっては、所管事務の不合理を全国共通の制度改正へ押し上げる公式の入口となる。
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