ジチテン

担税力

読み:たんぜいりょく

意味

担税力とは、納税者が租税を負担しうる経済的な能力をいい、所得・消費・資産という形で測られ、課税標準の設計や応能負担の根拠となる考え方である。

税をどこに、どれだけかけるべきかを考えるとき、出発点になるのが「誰がどれだけ税を負担できるか」という担税力の発想である。同じ額の税でも、所得や資産の乏しい人にとっては重く、豊かな人にとっては軽い。担税力は、この負担できる力の差を捉え、公平な課税の物差しとして用いられる概念である。

担税力は一般に、所得・消費・資産の三つの面から測られる。所得課税は稼ぐ力に、消費課税は使う力に、固定資産税のような資産課税は資産を保有しうる力に、それぞれ担税力を見いだして課税する。所得税や個人住民税所得割が累進的・比例的に課されるのも、不動産取得税が財産の移転という事実に担税力を認めるのも、いずれもこの考え方に立つ。

担税力に応じて負担を求める考え方は応能負担と呼ばれ、サービスの受益に応じて負担を求める応益負担と対をなす。減免非課税、課税最低限の設定は、担税力を超えた負担を生活困窮者等に強いないための調整である。一方で均等割のように担税力にかかわらず一定額を求める仕組みもあり、地方税は薄く広い負担と担税力に応じた負担とを組み合わせて成り立っている。

担税力をどの指標で測るか

担税力は直接には観察できないため、税制ではこれを近似する指標として所得・消費・資産の三つを用いる。所得は一定期間に得た経済的利得で担税力の最も基本的な尺度とされ、所得税・個人住民税の所得割や法人課税がこれに対応する。消費は支出の大きさに担税力を見るもので、地方消費税などの消費課税が対応する。資産は土地・家屋等の保有に担税力を見いだすもので、固定資産税や不動産取得税が対応する。これら三つに課税を分散させることは、特定の指標への偏りを避け、税収を安定させるとともに公平性を高める意味を持つ。地方税が国税と異なり資産課税である固定資産税を基幹財源とするのも、資産という担税力に着目した設計である。

応能負担・応益負担との関係

担税力に応じて負担を配分する考え方を応能負担といい、税負担の公平を論じる際の中心的な原理である。これに対し、行政サービスから受ける便益に応じて負担を求める考え方が応益負担で、使用料手数料受益者負担金の算定原則となる。地方税には両面があり、所得割は担税力(応能)に、均等割は地域社会の会費的な性格(応益)に重きを置く。担税力を超えた課税を避けるための調整が減免・非課税・課税最低限であり、災害被災者や生活困窮者への減免は担税力の喪失に着目した措置として位置づけられる。

つながりのある用語

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