ジチテン

単体規定

読み:たんたいきてい

意味

単体規定とは、建築基準法のうち、建築物そのものの構造強度・防火・避難・採光・衛生など、敷地周辺の市街地環境とは切り離して建物単体に求められる基準の総称をいう。

ある建築計画が建築確認で問われるとき、その敷地が都市計画区域の内か外かにかかわらず効いてくる基準は何か。単体規定は、建築物の安全性や居住環境を建物そのものの性能として確保する規定群であり、原則として全国どこでも一律に適用される。建築基準法の規定は大きく二つに分かれ、一方が用途地域建蔽率容積率斜線制限接道義務など建物と街並みの関係を律する集団規定、他方が本項の単体規定である。単体規定には、地震や積雪に耐える構造耐力、火災時の延焼を防ぐ防火・耐火、煙や炎から逃げるための避難施設、居室の採光・換気・天井高、シックハウス対策の内装制限などが含まれる。集団規定が都市計画区域・準都市計画区域でしか働かないのに対し、単体規定は区域の指定がない地域でも適用される点が実務上の大きな違いである。建築確認の審査では両者が同時に審査されるため、確認申請を受ける担当者は、どの基準が単体規定でどの基準が集団規定かを区別したうえで、敷地の区域指定の有無に応じて適用範囲を判断する必要がある。

集団規定との適用範囲の違い

建築基準法は建築物に対する制限を、適用される空間的範囲で二系統に整理している。単体規定は建築基準法第二章(第19条から第41条)に置かれ、全国すべての建築物に等しく及ぶ。これに対し集団規定は第三章に置かれ、その冒頭の第41条の2が「この章の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り、適用する」と適用範囲を限定している。したがって都市計画区域外の山間部に建つ住宅でも、構造耐力や防火・避難に関する単体規定は守らねばならない一方、用途地域や容積率といった集団規定は問われない。建築確認の要否を判断する際も、区域指定の有無で審査対象となる条文群が変わるため、敷地がどの区域に位置するかの確認が出発点となる。

単体規定に含まれる主な基準

単体規定の中核は構造耐力で、第20条が建築物の自重・積載荷重・積雪・風圧・地震に対する安全性を求め、建物の規模に応じて構造計算や構造計算適合性判定が必要になる。防火・耐火の分野では、大規模建築物の主要構造部の耐火性能、防火区画、内装制限などが定められる。避難に関しては廊下の幅、直通階段までの歩行距離、二方向避難、非常用照明などが規定される。居住環境を守る基準としては、居室の採光面積や換気の確保、便所の衛生、シックハウス症候群を防ぐためのホルムアルデヒド発散建築材料の使用制限がある。これらは建物の用途や規模によって適用の有無や水準が変わるため、確認審査では用途・階数・延べ面積を踏まえて該当条文を特定する。

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