ジチテン

単式簿記

読み:たんしきぼき

意味

単式簿記とは、現金など特定の勘定の増減のみを一面的に記録する簿記の方式で、地方公共団体の官庁会計で用いられる記帳方法である。

家計簿のように「入った・出た」だけを書き留める方式は記帳が簡単で分かりやすいが、その取引が資産を増やしたのか負債を負ったのかという原因までは残らない。単式簿記は、こうした現金等の増減を一面的に記録する方法を指し、現金主義と組み合わさって地方公共団体官庁会計を構成する。予算で定めた枠内に支出を収める統制には十分だが、一つの取引を「借方・貸方」の両面でとらえる複式簿記と違い、資産・負債のストックや減価償却を体系的に把握できない。このため地方公会計の整備では複式簿記による財務書類の作成が求められ、単式簿記で記帳した日々の取引を期末に複式へ組み替える方式が一般的にとられている。記帳の簡便さとストック把握の弱さが、単式簿記の長所と短所を分ける。

複式簿記との違いと公会計での組み替え

単式簿記は現金等の増減を一面的に記録するのに対し、複式簿記は一つの取引を原因と結果の両面(借方・貸方)で記録する。たとえば施設を現金で取得した場合、単式簿記では現金の減少しか残らないが、複式簿記では「資産(建物)の増加」と「現金の減少」を同時に記録するため、ストックとしての資産が帳簿に残り減価償却の計算にもつながる。地方公共団体の予算・決算は伝統的に単式簿記で行われてきたが、これでは資産・負債の全体像やフルコストが見えない。そこで地方公会計の整備では、日々の単式簿記による記帳を期末に複式簿記へ組み替えて貸借対照表行政コスト計算書を作成する。単式簿記による予算統制を維持しつつ、複式簿記でストック情報を補う二段構えが定着している。

つながりのある用語

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