ジチテン

ただし書

読み:ただしがき

別名:但し書
意味

ただし書とは、法令の条文において、原則を定める本文に続けて「ただし」で始まり、その原則に対する例外・除外・条件を定める部分である。本文(本書)と一体で一つの規定を構成する。

条例の条文を読んで「原則は分かったが、自分のケースは例外に当たるのではないか」と迷う場面は実務で頻繁に起こる。ただし書は、本文が定める原則に対し「ただし、○○のときは、この限りでない」といった形で例外や条件を加える部分であり、ここを読み落とすと制度の適用を誤る。

ただし書は本文と切り離して読めない。本文が原則を、ただし書がその例外を担い、両者を合わせて初めて条文の射程が確定する。「この限りでない」という結び方は本文の適用を排除する意味であり、何の適用が排除されるのかを本文に立ち返って特定する必要がある。

条文を引用・改正する場面では、本文を指すのか、ただし書を指すのかを明示する。改め文では「第3条本文中」「第3条ただし書中」と書き分け、どちらを改めるのかを特定する。条文構造を正確に把握することが、適用判断にも法制執務にも欠かせない。

本文・ただし書・なお書きの読み分け

一つの条・項は、原則を述べる本文(本書)と、それに続くただし書から構成されることが多い。ただし書は「ただし、」で始まり、本文が定めた原則の例外・除外・条件を定める。結びの「この限りでない」は、本文に定めた効果の適用を打ち消す定型表現であり、具体的に何が適用されなくなるのかは本文へ戻って読む。実務では、本文が課す義務や制限が自分のケースに及ぶかを判断する際に、ただし書の要件に該当すれば原則の適用を免れるため、適用関係はただし書を含めて初めて確定する。なお、ただし書とは別に、本文を補足する「なお書き」やさらに条件を付す「おって書き」が置かれることもあり、それぞれ法的効果が異なる。

改正・引用での特定方法

条文を改正・引用するときは、本文とただし書のどちらを指すのかを正確に示す。改め文では「第○条本文中『A』を『B』に改める」「第○条ただし書を削る」のように、改正対象が本文かただし書かを明記して特定する。引用条例や審査基準で根拠を示す場合も、「第○条ただし書の規定により」と書くことで、原則ではなく例外規定を適用根拠としていることが明確になる。逆に本文・ただし書の別を曖昧にしたまま改正・引用すると、改正範囲や適用根拠に解釈の余地が生じ、後日の運用で混乱を招く。法制執務では、条文の階層(条・・号・本文・ただし書)を厳密に呼び分けることが基本作法とされる。

つながりのある用語

関連

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)